東京都内のハローワーク墨田の職員が、架空の求職者として自ら採用面接を受け、4社で採用された件数を就職件数として計上していたことが発覚し、厚生労働省によって戒告処分を受けました。この行為は国家公務員法違反とされ、刑事告発は見送られました。職員には月12件の就職件数目標が課されており、処分された職員は自分に月30件の目標を設定していました。
全国のハローワークの9割以上が職員に数値目標を設定しており、人事評価の基準に組み込まれているケースがあることも明らかとなりました。これを受け、厚労省は全国544カ所のハローワークを調査しましたが、同様の例は確認されませんでした。

この事件は、制度の根本的な問題を露呈しています。職員に個人の数値目標を強制することで、目標達成のための不正行為が誘発される状況が生まれています。これは公的機関として、信頼性と倫理を著しく損なうものです。制度の欠陥を正すためには、まず過度な数値目標の見直しが必要です。職員が現実的な目標を達成するための支援が欠かせません。また、求職者登録が正確に行われているかの確認体制も強化すべきです。さらには、人事評価が単なる数字に縛られず、業務の質や社会的貢献を評価する柔軟な体制が求められます。
これらの改革が実施されなければ、公共サービスが本来の目的を失い、関係者の信頼を損ね続ける危険性があります。この事案は今後の制度改革への第一歩として捉えるべきです。
ネットからのコメント
1、ハローワークの求人の質は低く、ブラック求人も多数ある事は、ハローワークで求職した人ならほぼ誰でも感じる事でしょうが、ハローワーク自体もまた、ノルマに追われるブラック体質とは笑えない話ですね。個人的には、ハローワークの求人は意味を為しているとはとても思えないので、ハローワークは失業保険のみ取り扱いをするようにすれば、余計なノルマなども生まれず、業務もスリム化して良い職場になるのではないかと思いますね。
2、普通の求職者は民間の求人サービスで見付けられる。年齢や難あり人格者等がハローワーク利用者の中心となる。 職員一人辺り12人の採用実績ノルマとは週3人必要でかなり厳しいと思われる。 求職者が介護警備配送清掃なら確率上がるだろうが事務とかは厳しい。 公的職場の求人は出来レースや有効求人倍率見せかけのため空求人もあるので尚更厳しくなっている。
公的サービスなのでノルマは不要だろう。
3、厚生労働省はその行政目的を理解していないと思います。国民は就職件数が多い事を望んでいるわけでなく、失業のリスクが少ない、失業した場合でも納得できる再就職が円滑に行える社会を望んでいるのです。離転職を繰り返し、就職回数が増えたとしても誰も得はしません。しかしながら、ハローワークの求人は虚偽の内容記載など質はお世辞にも良いとは言えず、特に若い世代が希望する大手企業の求人など皆無に等しい状況です。その中で幹部職員が自らの実績作りのため、無意味な過大な就職件数を無策な状況で一般の職員に強要し、その結果この様な事件が起きたのでしょう。老若男女がwebを駆使する時代になって、就職情報を提供する事がメインの組織に存在価値があるのかという疑問もあります。ハローワークの存在が必要かどうかを含め、検討する必要があるのではないでしょうか。
4、ハローワークの求人は皆も知っての通りブラックが多い。理由は無料だからというところが非常に大きいが、採用後のケアが無いというのも原因の1つと考えている。
入社した人がとんでもない目にあって、逃げるように辞めたとしても職員は関係ない。内定がゴールと考えているからこういうことが起こる。民間は入社した後のアフターもしっかりしている。入社してもすぐに辞めたら報酬が支払われないからだ。ハローワークも求職者のアフターケアをしっかりして、求人内容と乖離している企業は2度と掲載しない等の措置が必要ではないか?落ちきった信用を少しでも回復させるために奮起してほしい。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/a4f0b11ec5d10e1269e0f78a49042233975b0972,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]