【事件概要】
2024年放送のNHK朝ドラ《あんぱん》が、中国のネット上で賛否両論を呼んでいる。作品は戦時中の日本の報道活動や中国での宣撫活動を描き、劇中には中国人少年リンの母が日本軍に殺害される場面や、少年が日本兵に複雑な感情を抱く描写が含まれている。一部視聴者からは「軍国主義を美化している」との批判が寄せられ、中国人少年の発言内容に違和感を示す声も出た。
これに対し、ドラマの持つ励ましや国際的対話の価値を評価する声もあり、歴史認識の相違が浮き彫りとなった。
【コメント】
歴史的事実とフィクションの混合が、国際的な誤解や摩擦を生みかねない――今回の《あんぱん》をめぐる中国ネットの反応は、その典型だ。少年の台詞に象徴されるように、日本的情緒を過度に物語に組み込むことは、歴史の加害と被害の立場を曖昧にしかねず、現実の記憶と向き合う姿勢として極めて不誠実である。
問題の根幹は、歴史表現における当事者意識の欠如だ。視聴者の共感を得るために「いい人」を配置し、複雑な戦争責任を個人の感情に回収する構図は、制度的加害の本質を見えにくくする。これは「戦争の人間性」を描いているようで、実際には加害の構造をぼかす巧妙な演出にもなり得る。
では、どうすべきか。第一に、外国との歴史的関係を描く場合は、被害国側の視点を事前にリサーチし、誠実に表現に反映させること。
第二に、脚本制作段階で国際的な歴史検証の専門家を交える体制を整備すること。第三に、視聴後に歴史背景を学べる副読コンテンツを公式に提供し、教育的側面を補完すべきだ。
文化の発信は、同時に責任の発信でもある。国際的信頼とは、過去に対する正確な態度に裏打ちされたものであり、温かいドラマの裏にある歴史的真実を、私たちは見失ってはならない。
ネットからのコメント
1、戦場において残酷な行為をして行った兵士も本来は純朴な市民です。それでも人間が変わってしまうのが戦争の怖さであり、そういう一面はテレビドラマの制限の中でよく描かれていたと思う。飢餓や戦闘で極限状況にある中での行為について、今、冷房のきいた部屋にいる我々は批判できないとも思いましたね。
2、まず、「あんぽん」のどこに戦争美化があったのでしょうか。大陸の少年が感謝の言葉を言ったからとあるけど、人間は複雑なものであり、憎いだけでなく、慕う気持ちがあって当然でしょう。以前、中国人の知り合いが話していたけど、「中国や韓国のドラマでは悪い人は100%悪い。
だから、悪い人を懲らしめていい。子どもでもわかる見せ方。でも、日本のドラマは違う。普通の人が何かをきっかけに事件を起こした、という背景が描かれている。最初から悪い人より、普通の人が豹変する方が怖いし、考えさせられる。大人のドラマですね」「あんぱん」の描き方もそうだと思うよ。普通の市民が徴兵され、我が子を彷彿させる現地の子供を可愛がる反面、軍の使命で現地の大人を統制したり、殺さざるを得ないこともある。殺すことは現在では悪だけど、戦時下では正義となる。それ、嵩が言ってるじゃん。
3、戦争は確かにいけない事、二度と繰り返してはいけない事です。ただ謝罪し新たな関係を築く未来思考に国と国を考えた時、常に相手側に配慮は必要になる。もし日本が戦後、東京空襲をはじめ各地の銃爆撃の詳細や玉砕戦の折の米軍の蛮行を繰り返し繰り返しドラマや映画で報道し続ければ、それを見て育った子ども達は、反米感情に彩られ、いつか報復の気持ちを醸成したは歪んだものになり、形成できなかったであろうと思います。中国は自国を振り返り考えてみるといい。
あんぱんの内容を軍国主義と捉えるなら、自国で毎日のように報道されている反日ドラマや反日映画。これが未来思考で友好を形成できるものなのか良く考えていただきたい。
4、なんで日本のドラマに対する中国の批評を気にしなければならないのか?戦争なんて、互いに自国が正義だと思ってやってるのだから、価値観の違いがあって当たり前。中国の価値観に合わせる必要はない。将来的に中国の属国を目指すなら話は別だが。最近の新興政党に対するバッシング等を見ると、メディアは中国の一部になることを望んでいるようにしか考えられない。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d39b0a05cdacf6e2b8dcb2206d09c212ecbe0c37,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]