事件概要:
2025年6月6日、東京都内で行われた日本将棋連盟の「棋士総会」において、女流棋士の清水市代氏(56)が初の女性会長に選出され、羽生善治前会長(54)主導の「女流棋士のプロ編入新制度」が賛成多数で可決された。この制度では、女流最高位「白玲」を通算5期獲得すれば、正規ルートを通らずにプロ棋士へ編入可能となる。
これに対し、現役最強棋士の藤井聡太七冠(23)が「棋力の担保は取れているのか」と総会で異議を唱えた。奨励会制度を経ずにプロ入りする新ルートの公平性に疑問を呈した形で、賛否が将棋界内外で広がっている。
コメント:
「棋力の担保は取れているのか」。藤井七冠のこの一言が突いたのは、新制度の“華やかさ”の裏に潜む制度的な緩さと、その先にある伝統の劣化だ。将棋界においてプロ棋士とは、奨励会という苛烈な競争の果てに到達する存在であり、その道を経ずに肩を並べることを認める制度には、当然ながら疑義が生まれる。
問題の本質は、努力の基準を曖昧にしたまま「多様性」や「女性進出」という言葉に逃げた制度設計にある。正規ルートで涙をのんだ若者たちの存在を無視した改革は、単なるエンタメ化に過ぎず、競技の純度を下げかねない。
制度を見直すなら、①プロ編入条件に棋士との直接対局成績を加える②男女共通の基準で実力を数値化する③制度導入前に公開の議論を経る、などの透明性と公平性を確保すべきだ。
努力と才能が正当に評価される世界であってこそ、将棋の伝統も未来も守られる。看板に偽りのない制度こそが、真の“進化”である。
ネットからのコメント
1、清水市代新会長就任は良い事だと感じたが、「白玲」通算5期獲得した女流棋士を4段棋士としてフリクラ編入させることには?と思っていた。いまだに誰も棋士の壁を突破できていない女流棋士だけで戦う女流戦の結果のみをもって直ちに棋士に認定するというのは、藤井7冠が言う通り棋士としての十分な力量があることの証明にはならず、将棋人気をあげるためだけの浅はかなプロモーションのように感じた。仮にこのような制度を創設するなら、白玲戦通算〇期獲得で棋士編入試験の受験資格を得るというようにして、通常の編入試験を突破した者と同等の棋力を確認してから棋士資格を与える事にした方が良いと思う。
2、藤井七冠の気持ちは多くの棋士も同様に持っているものだろう。
特に若手の棋士にとってはかなり苦労して棋士になった者も多いだろうから正直三段リーグとは別に実質楽に棋士になれてしまう別口でのプロ入りは苦言も呈したくなるよね。連盟は将棋ブームもあり世間の意見も気にしての制度変更かと思うけど棋士達の意見も十分に考慮してあげて欲しい。悲願の女性騎士誕生は従来の編入試験を何度かすれば女流上位の誰かは突破すると思うしそれで良いと思う。それなら他の棋士も異論はないはず。
3、スポンサーの意向もあり新制度は導入せざるをえないのでしょう。質問内容は適切であり棋士の多くが気にしているものですので回答もしりたいです。女流棋士にも反対意見を持つ人はいるでしょう。男性と同じ条件で勝ち取るべき権利であり、女性だから優遇されていると思われたくないと。女流棋士の意見も聞くべきだったと思います。
4、まぁ、プロになったとして、その後の勝率が1割とか2割程度だったら、さすがに問題視されるだろうし、本人もイヤになってしまうだろうね。そして、そうなる可能性もなくはない、ということ。新規定によるプロ入りに一番近いのは西山女流だけど、西山さんがプロ入りしたとして、その後は西山さん自身が頑張って懸念を吹き飛ばすしかないな。
それが出来なければ、規定の見直しもあり得るでしょう
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/88d92cf78f325ba5bf9c4e7820cdddfe9bfa718b,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]