中国のEV市場において、急速な成長を見せていたBYDが2025年5月下旬に主力ブランドの22モデルを値下げすると発表した。この中には小型EVの「海鴎」が20%、PHEVセダン「海豹07」が34%の値下げを行うものが含まれている。この決定を受け、他のEVメーカーも同様に値下げ競争に突入し、吉利汽車や新興企業リープモーターも割引販売を始めた。
これにより、EV業界は消耗戦に突入し、中小企業の淘汰も懸念される。BYDの2025年1〜4月の累計販売台数は138万台に留まり、年間目標の550万台には届かない見込みとなっている。値下げ後、株価は下落し、市場に「疲れ」の兆しが見え、政府も過度な値引きを批判する動きを見せている。
急速に成長してきた中国EV市場の現状において、目の前に立ちふさがる問題は、短期的な競争による価格引き下げの乱発だ。BYDの値下げ発表を皮切りに、他メーカーも追随し、価格戦争が激化。こうした状況は一見、消費者には利益となるかもしれないが、長期的には業界の健全な成長を妨げる恐れがある。競争過多による収益性の低下は、特に中小企業にとって致命的だ。価格を過度に下げることは一時的な販売増に繋がるかもしれないが、持続可能な成長を遂げるためには、技術革新や品質向上を競うべきだ。
まずは、価格競争に依存しないよう、製品の差別化や付加価値を高めることが必要だ。次に、政府は業界全体を見守り、過度な値引きが続かないよう適切な規制を設けるべきだ。最後に、消費者は目先の割引に踊らされず、長期的な価値を見据えた選択をすることが求められる。競争の中でこそ、本当に勝つべきものが見えてくる。
ネットからのコメント
1、普及させるために補助金ジャブジャブつっこんで無理やり価格下げて販売してきたけど、補助金無くなって価格メリットなくなったら、誰も買わなくなったってことでしょう。歪な形で形成された市場だったから、ある意味バブルだったわけで、EVも不動産と同じくバブルが弾けた、ということでしょう。もっと時間かけて会社も補助金無しで商売が成立するようにさせるべきでしたよ。
2、中国の産業の統計数字で信頼のおけるものは今や存在していない。BYDの輸出台数はそれが間違いないと何で担保できるのか。不動産不況以降、株式公開会社ですら決算数値は信頼ならない状態であり闇は深い。下請け会社に対する不適切なファイナンスが横行する国で、安定的にビジネスが発展するのは難しい。
BYDはそういう問題をすでに指摘されており、事業継続は実は相当厳しいように思います。不動産しかり、太陽光ビジネスしかり、それほど時間をおかずに、大手ですら消えていくことになるのではないかと思います。
3、EVは補助金ありきみたいな所があるから、それが打ち切られたら売れ行きは一気にダウンする。いつ打ち切られるか、いつ減額されるか分からないから値下げしてでも今のうちに売れるだけ売っておきたい。補助金無しでもハイブリッド車並みの値段になれば多少は価格競争力出そうだけど。
4、あれだけ作りまくって売りまくったら、いかに人口の多い中国と言えど、買う人間は買って飽和状態になってるのではないでしょうか。EV車の墓場みたいな画像も見たことがあります。この段階にいずれ到達するのは自明の理だったと思います。中国の不動産バブルは崩壊し、経済が酷いことになっているとも聞きます。今後は国内向けの生産ペースを抑えて、ユーザーの買い換えを意識した生産調整にすべきではないでしょうか。無駄に増えたメーカーも潰れる所は潰れて、生き残ったメーカーで安定供給していけば良いでしょう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/8d5a28758a602086cfd5e3c0637aad556844bf04,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]