厚生労働省への取材で、労災申請から半年以上認定判断が出ない「長期未決事案」が2026年1月末時点で2329件に達し、2021年の1169件から倍増したことが判明した。背景には労災申請の急増があり、2025年度は6212件と2020年度の2835件から2倍以上に増加。労働基準監督官は2026年度3145人で、増加は5年で3.4%にとどまる。厚労省は3月、調査効率化を通知した。

労災で苦しむ人が、制度に救われる前に生活不安まで抱える状況は異常である。補償を受けるための判断が半年以上遅れるなら、それは単なる事務処理の問題ではなく、被害を受けた労働者を守る仕組みの機能不全だ。過労死やハラスメントによる精神疾患が増える社会で、現場の負担だけに頼る運用には限界がある。本質的な問題は、申請増を予測しながら必要な人員や体制整備を進めてこなかった制度設計にある。
改善には、①労働基準監督官の計画的な増員、②専門分野ごとの調査チーム設置、③AIやデジタル化による書類処理の効率化、④企業側への予防責任強化が必要だ。命や健康を失った人への支援は、行政の都合で遅れてよいものではない。迅速な救済を掲げる社会なら、苦しんだ人を待たせる制度ではなく、真っ先に支える制度であるべきだ。
ネットからのコメント
1、私の友人はこの冬の雪の日、通勤時に自転車で転んで怪我をし、病院に行ってました。それは労災としてすぐに処理されて、あっという間にお金が帰ってきたそうです。こういう言ったら単純な外傷ならば本当に分かりやすいですが、ハラスメントにより精神疾患とかって判断に時間がかかってしまうのはある程度は仕方がないことなのでしょうか。いろいろ調査も必要になってくるでしょうから、労基署も大変だと思います。
2、私も先月会社を辞めました。時間外労働の上限を守らず無資格者による機械作業、おまけに倉庫内は高積み保管による製品のダメージと作業に支障を及ぼす職場環境の悪化といつ事故が起きてもおかしくない状況。
ハラスメントも横行し身の危険を感じてこれ以上は無理と判断しました。このような状況を作ったのは労働を所轄する役所が見逃してきたことも一因だと考えます。事業主が働く人を使い潰すような考えを改めない限りは労災は減らせません。
3、労災制度は、働く人が安心して治療や生活再建に向き合うための最後の支えです。その判断が半年、一年と長引けば、収入や治療費だけでなく、将来への不安まで大きくなってしまいます。精神疾患の労災は事実関係が複雑で丁寧な調査が欠かせませんが、待つ側にとっては時間そのものが大きな負担です。近年は働き方の変化や人手不足、職場環境の悪化などを背景に、心の不調を訴える人が増えているとも指摘されており、現場の負担はさらに重くなっています。労基署の人員不足だけではなく、企業側の資料提出や聞き取りへの協力体制にも改善の余地があるでしょう。制度があっても、必要な人に必要な時期に届かなければ十分な救済とは言えません。申請件数の増加を一時的な現象として済ませるのではなく、デジタル化や専門人材の育成も含めた体制強化を進め、安心して働ける社会を支える仕組みにしていくことが求められています。
4、労基署で働いている友人と先月会った時、ここ数年で案件がめちゃくちゃ増えていると言っていた。やはり精神疾患系が増えているとか。最近はSNSなどで「労災認定されるやり方」が流布されているらしく、コピペみたいな申請も多く苦労していると言っていた。友人も「公金が原資なのでミスが絶対ないように慎重に審査をしているから精神がすり減るわ。その割に現場の人間は増やしてくれない。」とぼやいていた。労働者に無くてはならない制度だと思うので、審査する人間も大事にして欲しいと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/a8338ab51f2fa1349e36368712362c9d3e746bde,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]