令和3年12月、悲劇的な大阪・北新地ビル放火殺人事件が発生し、心療内科クリニックの院長や患者を含む計26人が犠牲となった。この事件は4年間を経ても社会に深い爪痕を残し続けている。元患者の女性(41)は、自分が心療内科クリニックに通い、院長によって精神的に支えられていた経験を語り、院長への感謝の気持ちを再確認した。一方、クリニックへ復職を目指して通う患者たちが「無職」とみなされ、遺族への補償が不充分であると指摘された。
昨年6月に給付金額を最低320万円から1060万円に増額する制度改正があったが、遺族からはさらなる支援拡充の要望が上がっている。現在の制度は事件当時の収入に基づくものであり、本来予測される収入「逸失利益」の概念を取り入れるべきと声が寄せられている。

このような事件の悲劇を前にすれば、個々の悲しみと痛みを通じて、制度の欠陥が浮き彫りになってくる。犠牲者の遺族が今後も生活を築いていくための支援が不充分であることは、まさに制度の欠陥を示している。国には、被害者や遺族が明日を生きる力を得られるように、支援制度の再構築が必要である。制度改善には、事件当時の収入のみならず、逸失利益を算出基準とすることが求められる。また、被害者支援を強化するための「犯罪被害者庁」の設立も検討すべきだろう。社会は、無実の人々が突如として未来を奪われることのないよう、制度の整備にできる限り尽力する義務がある。
犠牲者が背負った苦しみと犠牲の重さを忘れず、今後の制度改善に心から取り組む時が来ているのだ。
ネットからのコメント
1、前職の産業医がこちらの事件で亡くなられた先生でした。ストレスから体を壊して休職したものの、仕事のプレッシャーから焦って「早く復職したい」と訴える私に、「無理をしてはいけない」と、今は休むことが必要なのだと諭してくださいました。早口だけど、しっかり話を聞いてくださる良い先生だったと記憶しています。今でも近くを通ると、悲しい気持ちになります。被害に遭われた皆様のご冥福を祈っております。
2、もう四年も経つのですね。あの火災では身勝手な犯行で多くの方の命が奪われました。精神的に揺れる方が多く通っておられた病院ですので、この記事の女性のように先生に日々救われていた方も大勢いらっしゃったと思います。ようやく自信を持てて、結婚にまで結びついた、それを真っ先に伝えたい先生が亡くなってしまったなんて悲しみしかありませんね。どうか天国から先生が見守ってくださっていると信じて、これからも力強く人生を歩んでくださいね。
3、心療内科というのはいろいろと問題を抱えた患者さんが来る。その中でこのような犯罪傾向の強い人が混じっていても不思議ではない。性善説はなく、クリニックでは複数の監視カメラと放火や破壊行為などにも備えた防犯対策をしっかり実施する必要がある。
4、記事からこの先生の人柄が伝わってくる。私の妻も心療内科にお世話になっているが、最初に行ったところは男性医師で、無表情で淡々と質問を繰り返し「結果的にあなたは鬱病なので薬を飲むかどうか自分で決めてください。決められないなら家族と相談してください。」と言われました。私も同伴してましたが、二人して”ヤバいところにきた”と感じ、会計だけ済ませてすぐに帰りました。次に行ったところはおじいちゃん先生で、しっかり話を聞いてくれ、妻の状態もどんどん良くなりました。今も通い続けていますが、この事件のように急にいなくなれば妻もショックでしょうが、いつかは年齢で辞められる日が来るかな~と二人で話しています。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c57a91b6ec20a422a1f938aec8f916dbcf52ad2c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]