【事件概要】
2024年7月19日、ベルリン市中心部で、イスラエルのガザ攻撃に対する抗議デモが実施された。参加者は「パレスチナを解放せよ」と訴え、人道危機に対する怒りを示した。ドイツではナチスの歴史からイスラエル支持が「国是」とされてきたが、ガザでの飢餓や民間人犠牲の深刻化により、イスラエルの軍事行動を「行きすぎ」と考える人が63%、より厳しい態度を政府に求める人が74%に上る世論調査結果が出た。
政府は空中投下で支援を行う一方、イスラエル批判に慎重姿勢を崩さず、国内外から対応の遅さに批判が高まっている。
【コメント】
ドイツ政府の対応はあまりに遅く、歯切れが悪い。過去の罪への責任が、今なおイスラエル政府への無条件の擁護を正当化する盾になっていること自体が異常だ。国家の誓いが、現在進行中の人道的悲劇に目を閉ざす理由になってはならない。
本質的な問題は、「国是」という名の固定観念に縛られ、現実を直視しない外交姿勢にある。ガザの飢餓と死が進行している中で、民意を反映せずに曖昧な立場を続ければ、ドイツはかえって信頼を失う。中立であるべき立場を放棄し、特定国家の政策を免責し続けることは、戦後秩序の根幹を揺るがしかねない。
今こそドイツ政府は①イスラエルへの武器供与の即時停止、②国会でのガザ情勢に関する緊急討議の開催、③人道支援の国際協調主導という三つの行動を取るべきだ。
過去への贖罪が、現在への無関心になってはならない。正義とは、過去に縛られることではなく、いま声を上げる勇気である。
ネットからのコメント
1、「歴史的にイスラエルの安全保障に対して責任を負うことはドイツの国是の一つだ」。ならば、今イスラエルがガザにやっている事を即時にやめさせるべきだろう。イスラエルは今回の戦争でパレスチナ人はもとより、周辺のアラブ人にも深刻な憎悪を埋め込んだだろう。世界の多くの人々のイスラエルへの信頼や好意的な心情を失わせた。これは安全保障にとって深刻な打撃だろう。イスラエル国民は、いつ報復されるかという恐怖に、今後長くおびえる事になる。パレスチナとの和平なしにイスラエルの安全保障はない。
2、さすがに、良心の呵責に耐えきれなくなってきたのではないだろうか。ドイツが方向転換に踏み出せば、自由な思考に基づく明るい未来が開けるはずだ。そもそも、「イスラエルは常に善で、それに異を唱える者は常に悪」という前提自体が不自然でおかしいのです。いかなる属性の人であれ、「社会全体で定められた規範に反すれば悪である」というのが、健全な人の一般的な考え方です。
3、ドイツが国是とするべきなのは、ユダヤ人を守る事ではなくナチスの過ちを繰り返さない事でしょう。そして、今イスラエルがガザに対して行っている行為は、ナチスのそれと変わらない。自分の家族が1人殺されたから、犯人側の家族を60人殺しても構わないなどという思考が、許されていい訳がないのです。去年の広島平和祈念式典で、広島がロシア大使と共にイスラエル大使を招待しなかった事に対し、G7の欧米の国々は「イスラエルをロシアと一緒にするな」と抗議したらしいけど、今でも同じ事が言えるのでしょうか。
4、パレスチナの国家承認は150近くの国で行われており、この記事にもあるようにG7では仏加、条件付きで英も承認の方向に向かっている。独でも盛んに議論が行われ、仮に国家承認に向かえば歴史の転換点になると言えそうだ。とはいえ日本で全く議論が行われない現状は頼りなさを感じる。米が承認することはないとはいえ、是非を問われた場合に国際社会にどのように返答するつもりなのだろうか。いつものようにのらりくらりと曖昧な返答で乗り切れるだろうか。
米との連帯を取るのか、それとも人道に対する責務を取るのか遠くない未来で問われることだろう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/3703b8311704392ebe5d2eb2fccf330350b049df,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]