賛育会病院が2025年3月から取り組む「内密出産」と「ベビーバスケット」により、1年間で7人が匿名で出産し、20件の乳児預け入れが行われた。内密出産では59件の相談のうち20件が受診に繋がり、最終的に2人が自分で養育する意思を示した。一方、「ベビーバスケット」利用者の多くは経済的困窮や学生など社会的未熟さ、またパートナーの不在を理由として挙げた。これらのサービスは孤立出産や乳児遺棄を防ぐ実績を上げつつも、支援不足や医療機関の負担が大きいことが課題として指摘されている。また、子どもの出自を知る権利保障など法的な整備も進行中だが、議論は未成熟であり根本的な改革が求められる。

内密出産や「ベビーバスケット」の取り組みは、乳児遺棄や孤立出産を防ぐ社会的意義が大きいものの、現状では問題が山積している。まず、日本社会において妊娠や出産に関する相談窓口や支援体制が極端に乏しいことが、こうした特例的なサービスに依存せざるを得ない背景を作り出している。
そして、これらの制度運用が一部の医療機関に過剰な負担を集中させ、制度としての持続可能性を欠いているのも重大な欠陥だ。さらに、子どもの出自を知る権利保障の議論が進められているが、出生者が制度を利用するまでの長期間にわたり情報管理を正確に維持するための具体的計画が極めて弱い。
こうした課題を解決するためには、(1)国が全国的な相談窓口を設置して経済・心理支援を提供する、(2)医療機関に対する補助金を通じた制度的支援を行い均等な負担分担を実現する、(3)法整備を進め、出生記録管理の具体的な運用指針を設定することが急務であるべきだ。この制度が機能不全に陥れば救える命が救えないリスクがある。社会全体で支える仕組みを作らなければ、制度の意義そのものが損なわれるだろう。この問題は、命と尊厳が制度不備に翻弄される現実を突きつけている。国や社会が積極的に解決策を打ち出し、すべての命に平等な価値を持たせる時である。
ネットからのコメント
1、素晴らしい取り組みだと思います。内密出産が7人、うち二人はその後内密解除して自ら育てる、赤ちゃんポストには20人というのは、25人の赤ん坊とお母さんが救われたということ。
もちろんそれぞれ事情があるでしょうし、ひどい背景を持った母親もいるかもしれませんが、少なくとも赤ん坊が救われることになったのは本当に本当によかった。この子たちのこれからの未来は決して平坦なものではないと思いますが、強く生きていってほしいです。
2、命を救うという意味では、内密出産や赤ちゃんポストには大きな価値があると思います。追い詰められた末に孤立出産や遺棄が起きるより、まず安全に産める場所があることは必要です。ただ、それで「親も子も幸せになれる」とまでは言えません。子どもは成長して自分のルーツを知りたいと思うかもしれませんし、親も手放したことを一生悩み続ける可能性があります。本当に必要なのは、出産前から相談できる窓口や経済的支援、安心して子育てや養子縁組を選べる環境づくりです。内密出産はゴールではなく、命をつなぐ最後のセーフティーネット。その後も親と子の人生に寄り添う支援まで含めて整えてこそ、この制度の意味が本当に生きるのだと思います。
3、現実問題、子育てに向いていない保護者は少なからずいる。
実母や実父に虐待をされるくらいなら、里親に育てられたり赤ちゃんポストに出された方が幸せだと思う。しかし、子育てに向いていない保護者ほど親権を手放さない傾向があり、無力な子ども達を守ることで出来ないでいるのは問題。また、受け入れる側も事前に聞いていた情報(発達や障害等)と乖離している場合に、「話が違う」と追い込まれてしまうケースもある。しかし、上手くいく里親家庭もある訳で、このような事例がなくなり、実父や実母から虐待されている子ども達を救えれば里親や赤ちゃんポストは現実的な制度だと思う。
4、命を繋げる、それが親の責任、社会の責任だと親の身では思います。親として生きるのは簡単じゃありません。もちろん親として、成人になるまでの責務を果たすことができるのは理想ですが、今はできないと判断してその責務を手放すのも、親の責任かもしれません。心のない言葉はあるかもしれません。でも、子供が育ち、幸せになればそれで良い。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d63ddff7f279c59c43f50a76daef3c5a5e95423d,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]