【事件概要】
日本では、高齢者が保有する資産が2000兆円に達し、その多くが使われないまま相続されている。特に2022年の相続課税価格は21.6兆円に上り、実質的な市場規模は50兆円とも推計される。相続人の52.1%が60歳以上という「老老相続」が進行し、資産は高齢層内で滞留。資産消費が進まないために経済への波及効果が失われ、地方から都市への資金流出も深刻化している。
保有資産のピークが「死の直前」となる異常な経済構造が、日本全体の内需低迷を招いている。
【コメント】
亡くなる時が人生最大の資産ピーク――そんな国が本当に豊かと言えるのか。日本では、年間50兆円が使われることなく相続され、高齢者間で資産が滞留する「老老相続」が常態化している。これは単なる個人の選択の問題ではなく、制度的にも社会的にも大きな欠陥だ。
まず、公的年金と医療制度が「長生きリスク」を過度に煽り、結果として資産の消費を萎縮させている。次に、退職後の「使い切り戦略」が教育されず、資産活用への意識改革が進んでいない。さらに、資産の相続によって都市部に資金が集中し、地方経済は疲弊する一方だ。
この異常構造を是正するには、第一に、高齢者向けの資産活用ガイドラインを制度化し、安心して使える仕組みを整えること。
第二に、一定額以上の相続には、地方経済への還元や寄付などを促すインセンティブを設ける。第三に、退職世代の地方移住や地域消費を支援する税制優遇を拡充すべきだ。
「長生きすること」と「豊かに生きること」は違う。貯め込まれたお金が生きた経済に戻るとき、日本はやっと前を向ける。使わずに死ぬ資産に価値はない。生きて使ってこそ、そのお金が生きる。
ネットからのコメント
1、東海地方の田舎で暮らす64歳になりますが、都会暮らしの友人達の方が貯蓄額ははるかに多いです。 田舎の方が老後不安が少ないから、結構海外旅行や車などにお金を使ってます。 私の田舎では母が施設に入った時に全ての施設を視察し話を聞きましたが、入居費0円〜30万、施設代月11万〜16万くらいで、高い施設はだいたい空きがありました。 その中でも母は病院がやってる地方では高い方に入りましたが、個室トイレ付き、看取りあり、看護師常駐、医師は毎夕見回りで、入居費20万、月15万、その他介護負担3万、消耗品1万の全部で19万でした。 東京の友人達に聞くと、入居費が1,000万とか、月額25万とか30万とか聞きますので、万が一を考えると貯めとかざるおえないかなと思います。
年金内で施設介護まで大丈夫ってなれば、みんな使えるなあと思います。
2、父のケースでは、都会と比べれば安い田舎の老人ホームでも年金だけでは足りないので、年間約100万円ずつ貯蓄がマイナスになりました。父がホームに入った後の自宅の維持管理にもお金がかかりましたし。それが何年続くのか誰にもわからないのだから、父の介護やお金の管理、相続を体験して、やはり自分も慎重になってしまいます。
3、頭では資産は使ってこそ、と分かってはいるが、やはり資産が目減りすると不安に駆られる。それは、5000万円以上あってもいくらあっても同じこと。何故なら、自分の寿命がいつまで、とはっきり分からないから。親は資産家だが、ずっと我が家の家訓は『勿体ない!』できた。もう、80際になる両親を見てると、もっと贅沢しても使いきれないのに、、、と思いますが、本人たちが子供に残してくれようと思いそうしたいのなら何も言えません。子供世代は子育てで一番お金が掛かる時です。相続税などを考えると恐ろしいですし、本当ならお金が掛かる今こそ親から資産を受け継ぎたいものですがね。
。自分がリタイアしたら、計画的に使おうと、頭では予定を立てています。
4、日本に限らないのでは。海外でも相続による遺産の承継は普通にあることだ。亡くなる時が一番金持ちは海外でも同じだろ。異様とはいえない。なお、日本の場合は、海外と比べて相続税が半端なく厳しいので、引き継いだ世代は、増やす努力をしないと3代もすれば富裕層とは言えなくなってしまう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6adcb42dee96a88d8e2877ee5699a24d3f0e055c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]