"壁の中の13年" 第10話
証言台で実母は、産予定に用していたさな祝い着について話した。娘が子どもを連れて実へ帰ってきたに着せようとい、13捨てられずに箪笥へしまっていたという。「娘だけじゃありません。孫も帰ってこなかったんです」と語ると、法廷は静まり返った。
茂は何度もをげた。
「救急を呼ぶべきでした。あの、自分のことしか考えていませんでした」
その言葉に対し、実母はすぐには何も返さなかった。やがて裁判から発言の会を与えられると、「13経ってから分かりましたと言われても、娘の13は戻りません」と静かに話した。
誠に対しては、さらに厳しい言葉が向けられた。
「あなたは夫だったんでしょう」
実母は娘婿を見た。
「どうして兄より、美智子を守ってくれなかったんですか」
誠は泣きながらをげたが、答えはなかった。兄を守ろうとった、族が壊れるのが怖かった、母親にられるのが怖かったという説を何度繰り返しても、妻と子どもを壁のへ置いた理由にはならなかった。
裁判では、茂の為が計画な殺害だったのか、論の末に起きた偶発な致事件だったのかが争点となった。最終に、最初から美智子の命を奪う目でへったとは認められず、突発な暴力によってさせ、その救護せず事実を隠したものとしてい刑が言い渡された。
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誠にも遺体を隠し、期真相を偽った責任について実刑判決がされた。
判決の。
茂は傍聴席の族を度だけ振り返った。
妻は来ていなかった。
事件が報されて以、茂の庭も崩壊していた。妻は「13、緒に暮らしていたがそんな秘密を抱えていたことに耐えられない」と婚を申して、子どもたちも母親についてをていた。
誠の母親もまた、息子が逮捕された頃から急速に体調を崩した。自分が嫁を責め続けていたこと、失踪したも「無責任な嫁だ」と言っていたことをいし、病院で何度も「らなかった」と繰り返したという。誰かだけが原因ではなかったとしても、田で美智子が孤していたことだけは否定できなかった。
平成16の。
13に「妊婦が突然をた」と処理されかけた事件は、ようやくつの結末を迎えた。
しかし、遺族にとっては。
終わりではなかった。
13待ち続けたのを、これから初めて受け止めなければならなかった。
美智子の遺骨は、実のあるへ戻された。13には方者として墓を作ることもできず、実母は毎11になるたび、娘の写真のへを置くだけだった。ようやく葬儀をえることになった、母親は「帰ってきたのに、これでよかったとはどうしてもえない」
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と親族へ漏らしたという。
墓には美智子の名と、没が刻まれた。は捜査の結果から平成3117とされ、そのが彼女と腹のの子どもの命が途絶えたとして残った。まれてくる予定だった子どもには正式な戸籍の名はなかったため、実母は美智子が妊娠に考えていた候補名をいたさなを、写真と緒に納めた。
「男の子でも女の子でも、健康ならいい」
かつて誠がそう言っていたことを、実母は覚えていた。娘から話で聞かされた、「旦さん優しいね」と笑った記憶もあった。それからわずか1ほどで夫婦の関係が変わり、最には妻を守るべき夫が兄とともに真実を壁へ隠した。
茂は刑務所から何通ものをいた。そのくは美智子宛てだったが、当然送る先はなく、弁護士を通して遺族へ渡したいと申しても、実母は最初受け取らなかった。「謝罪を読んだからといって、娘が戻るわけではありません」と断った。
それでも茂はき続けた。
あのに戻れたら救急を呼ぶ。
逃げずに弟へ連絡する。
自分が逮捕されても、美智子を病院へ運ぶ。
同じ言葉を何度いても過は変わらなかったが、それでもくこと以に罪と向きう方法を見つけられなかったのかもしれない。
誠は役、母親をくした。
母親は病院で最期まで息子たちの事件についてほとんど話さず、護師から「会いたいはいますか」