"新郎が消えた結婚式" 第1話
私の名は智。今は45歳になり、毎元気いっぱいの子どもたちに振り回されながら暮らしている。
真でも平気な顔をしてり回る子どもたちを見ていると、いったいその体力はどこから湧いてくるのだろうとう。こちらはしへ付きっただけでへとへとになるのに、子どもたちは汗だくになりながらも、まだ遊びりないと言って笑っている。
そんな姿を見るたびに、自分にもあれほど若かった代があったのだと、議な気持ちになる。
ただ、い返してみれば、私の10代はるいいばかりではない。
むしろ、今こうして族と穏やかに笑っていられることの方が、当の私には像できない未来だった。
すべての始まりは、私が学3の頃だった。
「お母さん、本当に再婚するの?」
夕の、私は母に何度目か分からない質問をした。
母は器を片づけるを止めて、困ったように私を見た。
「智、まだ配してるの?」
「だって……」
「丈夫よ。ちゃんとしただから。あなたのことも切にするって約束してくれてるの」
その言葉を、私は素直に信じられなかった。
「そんなの、先だけかもしれないじゃない」
「もう。会うからそんなふうに決めつけちゃ駄目よ」
母はし呆れたように笑った。
けれど、私が警戒していたのには理由があった。
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母は、私が赤ん坊の頃に実父と婚していた。父の顔も声も覚えていない私にとって、実の父親は戸籍のにしているだけのようなだった。
それから母と2で暮らしてきた――と表現すれば、聞こえはいい。
実際にはにはいつも誰か男性がいた。
母の恋だった。
あると別れれば、し経って別の男性が現れる。そのともくは続かず、また次のがへ来る。
母は、母親であるに恋をしたい女性だった。
子どもの私は、それを嫌というほどいらされていた。
もっとつらかったのは、学だった。
「智んちのお母さん、また男変わったんだって」
「昨違うと歩いてたらしいよ」
そんな言葉を、同級たちは面がってにした。
私自が何かしたわけではないのに、母のことで笑われた。やっと仲良くなれた友達ができても、その子の親から「あのの子とはあまり関わらない方がいい」と言われ、れていったこともある。
次第に私は学へかなくなった。
朝になると腹が痛くなり、制を着るだけで息苦しくなった。布団のに潜り込んでが過ぎるのを待っている私を見ても、母は刻には考えなかった。
「智は付きいが苦なのよね」
そう言って笑われた、何度もので叫んだ。
誰のせいだとってるの。
けれど、その言葉をにせたことはなかった。
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母に言っても、理解してもらえないとっていたからだ。
今回の再婚話も、私はどうせ続きしないとっていた。
「どうせまた別れるんだから、再婚なんてやめなよ」
とうとうそう言うと、母は子どものように頬を膨らませた。
「どうしてそんなこと言うの?」
「今までだってそうだったじゃん」
「今度のは違うの。結婚したいってえる相なのよ。きっと続くわ」
「でも――」
「もういいでしょ」
母はしい調で私を遮った。
「私のなんだから、自由にさせて」
その言葉に、私は黙るしかなかった。
私のはどうなるのだろう。
そんなことを考えるのは、母のでは私の役目だったらしい。
結局、母は私の反対を押し切って再婚した。
しく父親になった男性は、最初に会ったには穏やかそうに見えた。物静かで、母が話しているも横からを挟まず、私に無理に親しげな態度を取ることもなかった。
そして、その男性には息子が1いた。
学2だった航太。
私とはかなり齢のれた、義理の兄になるだった。
初めて顔をわせた、航太はし照れたような笑顔でをげた。
「初めまして。航太です。よろしくね」
「……智です。よろしくお願いします」
私はそれだけ言った。
族になるという実は、まるでなかった。
母の恋が続きしないのを何度も見てきた私は、このたちともどうせい付きいになるのだろうと決めつけていた。
だから期待しなかった。