"300万円の口止め料" 第6話
義父の目から、今度は堵の涙が流れました。
同じ頃、私は自宅のリビングで夫さんから届いたいメッセージを読んでいました。
を追い返した。兄貴は無事だ。
第段階は成功しました。
しかし、4500万円の借を抱えたが、これで諦めるとはえませんでした。
そしてもなく、玄関のドアが乱暴にく音がしました。
「お、夫叔父さんを呼んだな」
リビングへ入ってきたのネクタイは緩み、髪も乱れていました。病院へ向かうにはあれほど自信に満ちていた顔が、りで赤く染まっていました。
私はソファからたず、静かに夫を見ました。
「お義父さんが倒れたんです。弟さんにらせるのは当然でしょう」
「嘘をつけ。俺を邪魔するために呼んだんだろ」
はテーブルをく叩きました。
カップのの茶がこぼれます。
私は布巾を取り、何も言わず拭きました。
その態度が、かえって夫を苛たせたようでした。
「何とか言えよ!」
「では聞きます」
私は布巾を畳み、夫の目を見ました。
「お義父さんの治療について話すだけなら、夫さんに聞かれて困ることはないですよね?」
夫のが止まりました。
「それとも、親戚にられたら困る話をしていたんですか?」
線が泳ぎました。
そして夫は、最の切り札のように言いました。
「おには300万円も渡しただろ」
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「はい」
「だったら黙っていろ。を受け取っておいて、俺のやり方にをすな」
私はその言葉を待っていました。
「あのおは1円も使っていません」
夫の表が止まりました。
「何?」
「別座に移して、そのまま保全してあります」
「なんで使わないんだよ。親父の世話をしてきた礼だって言っただろ」
「でしたら領収でもきましょうか」
私は静かに言いました。
「名目は『義父の病へ来ないための止め料』でよろしいですか?」
はずさりました。
「お……」
「もうつ。300万円はどのから借りたんですか?」
夫の顔が青ざめました。
「あなたの与座ではありませんよね」
「おには関係ない」
それだけ吐き捨てると、は斎へ逃げ込み、内側から鍵をかけました。
翌、私は午半休を取り、駅の法律事務所へ向かいました。
相談したのは井弁護士でした。
族の財産問題や婚に詳しく、福祉課の業務でも何度か相談したことのあるです。
私はスマートフォンに保した写真を見せました。
4500万円の返済通。
義父宅の査定。
300万円の入記録。
井先は通り確認し、表を険しくしました。
「ご主は、お義父様の産を処分して自分の借へ充てるつもりでしょうね」
「やはりそうですか」
「なくとも、その能性は非常にいです。ただ、ご本のに反した贈与や担保提供が簡単に認められるわけではありません」
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私は300万円についても尋ねました。
「使ってはいません。このままでいいでしょうか」
「そのままにしてください。別座で保全しているなら記録も確です」
井先はく言いました。
「決して現化したり活費へ混ぜたりしないでください。から『妻もしてを受け取った』という主張をされないためにもです」
私はようやくし息をつけました。
「それと、ご主の借ですが、さんが保証になっていないのであれば、基本にご主個の負債です。夫婦だからというだけで4500万円を緒に返す義務が当然にじるわけではありません」
その言葉を聞き、元に本の太い柱がったような気がしました。
私はただ怯えている妻ではない。
義父を守るため。
そして自分自のを守るため。
法と記録を使うことができます。
午、役所へ戻りました。
窓に座りながら、夫の次のを考えます。
病院での署名は失敗。
親族にも警戒された。
では次に何をするか。
義父の財産をかすには、実印、通帳、権利関係の類が必になる。
義父宅には、町を経営していた頃から使っている庫がありました。
以、義父は私にだけ暗証番号を教えていました。
「さん。俺に何かあっただけけてくれ」
そのも私は、必がない限り庫へ触れませんでした。
は番号をりません。
夕方。
夫さんからメッセージが届きました。