"300万円の口止め料" 第3話
病院の支払いを代するも、額を必ず説し、本の承を得てから続きをしていました。
福祉の仕事を通して学んだ最も切なことは、齢者が「自分で決める権利」を守ることでした。
族だから。
息子だから。
嫁だから。
それだけで本の代わりに何でも決めていいわけではありません。
以、親戚の集まりで義父が笑いながら言ったことがあります。
「は嫁じゃない。俺が最まで自分で決められるようにしてくれる娘だ」
私はそので泣きそうになり、慌てて料理を取り分けるふりをしました。
22というが、血のつながり以のものを育ててくれたのだとっていました。
だからこそ、今目ので起きていることが信じられませんでした。
主治医の先が夫のへました。
「さん。今は治療直です。お父様の識状態はまだ定していません」
「先、俺は息子ですよ」
は苛ったように答えました。
「親父の財産を管理して、自由なく治療を受けさせるための続きです。何が悪いんですか?」
「会話ができることと、複雑な契約内容を理解して判断できることは別です」
先は静かでしたが、歩も引きませんでした。
佐野さんも続けました。
「息子さんだからこそです。ご本のが分に確認できない状態で、族の方が急いで財産関係の類へ署名を求めることは、病院として見過ごせません」
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その言葉は、福祉の現で私自が何度もにしてきたものでもありました。
齢者がった。
最もい族が「本のため」という顔をして預をかす。
私はそんな相談を何度も受けてきました。
だから私は夫を鳴らず、専を呼んだのです。
「今は類をしまってください」
私が言うと、は忌々しそうに分い茶封筒を鞄へ押し込みました。
そして私とすれ違う瞬、元で吐き捨てました。
「300万円ももらっておいて、俺の邪魔をするのか」
がかすかに震えました。
夫は本気で、おを払えば私が黙るとっているのです。
私が義父と過ごしてきた22も、福祉の仕事に抱いてきた誇りも、このには何つ見えていなかった。
「今は帰る。また来るからな」
は義父の顔もまともに見ず、病をていきました。
その音が消えてから、私は先と佐野さんへをげました。
「すぐに来ていただいて、ありがとうございました」
先は夫が持っていた鞄の方をいすように眉を寄せました。
「奥さん、ご主が持っていた類ですが……普通の続きだけではないかもしれませんね」
「どういうですか?」
「かなり分かったでしょう。預の代理続きなら、あれほどの量にはならないといます」
その言葉が胸に残りました。
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病院をると、はすっかり暗くなっていました。
スマートフォンをくと、300万円の入記録がたい数字として残っています。
夫はなぜ、借でもない300万円ものを突然私へ振り込んだのか。
茶封筒には何が入っていたのか。
翌朝、リビングへくと、夫はすでにスーツ姿でコーヒーをんでいました。昨夜病で私と鉢わせたの狼狽はなく、何事もなかったかのようにスマートフォンを眺めています。
私が黙ってテーブルにつくと、夫は顔もげずに聞きました。
「、見たか?」
「ええ。確認しました」
「ならいい」
は満したようにコーヒーカップを置きました。
「親父のことは俺に任せておけ。おは仕事に専すればいい。病院にも無理してかなくていいからな」
優しい夫を演じているつもりなのでしょう。
けれど目はしも笑っていませんでした。
私は反論しませんでした。
「分かりました」
夫が勤した、私は通帳を持ってへ向かいました。
昼休み、ATMで記帳すると、確かに300万円が追加されていました。しかし私がりたかったのは額ではなく、振込元でした。
振込名義は。
けれど支名を見た瞬、い違を覚えました。
夫の与座でも、宅ローンに使っているでもありません。
無担保融資を扱うネットでした。
夫は自分の貯から300万円をしたのではない。