"4200万円の隠し家" 第11話
義雄の眉がいた。
「……賃貸?」
「お義母さんには、私が父から2400万円相続したから返済に困っても丈夫だと説していました。織さんには、私も購入を承し夫婦で支えることに決めたと説しています」
義雄が慎也を見る。
「お、妻に話してなかったのか?」
「それは……反対されるとって」
「じゃあ『夫婦で決めた』っていう話は嘘なのか」
慎也は答えられなかった。
私はさらに枚の資料をした。
織が弁護士を通じて送った通の写しだった。保証に関する説や署名押印の経緯について正式に争う向が記されており、なくとも「妹も納得して借を背負った」という慎也の説とはきく違っていた。
義雄の顔が変わった。
「慎也、お、妹にもちゃんと説してないのか?」
「俺が全部払うつもりだったんだ。織に請求がくようなことには絶対――」
「払えてないから今こうなってるんでしょう」
私は静かに指摘した。
「宅ローンはすでに度落ちなかった。カードローンも約200万円ある。さらに旧宅のを使った別の借入れもある。『絶対払える』という慎也の言葉は、もう何の根拠にもなりません」
義雄は資料を何度も読み返した。
「旧宅のって何だ?」
文がそこで初めて泣きした。
「私もらなかったのよ。慎也に言われて類に印鑑を押したけど、そんな借だなんて聞いてないの」
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親族会議の空気が完全に変わった。
私を責めるために呼ばれたはずの義雄は、今度は慎也へ向き直った。
「お、自分の母親にも妹にも妻にも違うことを言って、それで何が族のためだ。誰かにでも最初から本当の数字を見せたのか?」
慎也の額に汗が浮かんだ。
「俺は、みんなができるように……」
「じゃない。おが責められないようにしただけだろう」
その言葉は、私が何度説するより慎也に響いたようだった。
義雄は、慎也が「頼れる男」として最も認めてもらいたかった親族のだった。その叔父から正面から否定され、慎也はソファに座ったままさくなっていった。
私は最に告げた。
「私は慎也を見捨てるために婚するんじゃありません。これ以、慎也の選択の責任を私のに組み込まれないために婚します」
文が泣きながら「族なのに」と呟いた。
私は彼女を見た。
「族だから最は払ってくれる。その考え方こそが、ここまで問題をきくしたんじゃないですか」
誰も答えなかった。
親族会議が終わった、私はでをた。
玄関を閉める直、慎也が追ってくる気配がしたが、振り返らなかった。彼がこれから何を言うかより、、弁護士、売却、財産理という現実の方がはるかにだった。
そして、その現実は。
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4200万円で買ったに。
さらに厳しい数字を。
突きつけることになる。
を任に売却できる能性を探るため、産会社による査定がわれた。築からまだ半ほどしか経っておらず、文は「ほとんど築なのだから4000万円くで売れる」と信じていたらしい。しかし担当者が持ってきた査定には、文の期待をきく回る数字が記されていた。
「現点での査定額は、3200万円になります」
文は類を見て目を疑った。
「何かの違いでしょう。4200万円で買ったのよ。まだ半しかんでないのに、どうして1000万円もがるの?」
担当者は、建物が度流通した点で築と同じ価格では評価されにくいこと、周辺相、価格、販売条件などを淡々と説した。さらに急いで現化する必がある、希望額だけで期買主を待つことも難しいという。
私はしれた席で資料を見ていた。
仮に3200万円で売れても、それがそのままローン返済へ使えるわけではない。諸費用を差し引けば取りはさらにがり、宅ローン残との差額が残る能性がかった。その、慎也にはカードローンがあり、旧宅のに関係する借入れも理しなければならない。
文の顔から次第に血の気が引いていった。
「を売っても借が残るなんて、そんなのおかしいわよ」
「買値と売値は同じではありません」
担当者は静かに答えた。
「購入に無理のない返済計画と、万ののを考えておくことが切です」