"4200万円の隠し家" 第10話
慎也はい黙った、絞りすように言った。
「……無理だって言うのが怖かった」
私はようやく核に触れた気がした。
「誰に?」
「みんなにだよ」
母親から「頼りにならない息子」とわれる。
妹から「助けてくれない兄」とわれる。
妻から「したことのできない夫」とわれる。
慎也は、その全部を恐れていた。
「だから、自分にないおまであるふりをしたの?」
「何とかできるとったんだ」
「あなたがやったのは、何とかしたことじゃない。先送りしただけよ」
その、文と織も交えて再び話しいがわれた。
文はの借入れをると、以とは別のように取り乱した。
「私は古いを処分していいなんて言ってないわよ! 慎也、あんた何をしたの!」
「母さんだってしいをんでただろ!」
「こんな借だらけだなんてってたらまなかったわよ!」
織はを止めた。
「もう責任を押しつけるのやめようよ。お母さんだってしいを自してたし、私だってお兄ちゃんの話をちゃんと確認しなかった。だけど番悪いのは、全員に違う説をしたお兄ちゃんでしょう」
その通りだった。
慎也はついに俯いた。
私はそこで婚のを正式に伝えた。
「今の連絡は弁護士を通してください。財産関係も全部理します」
慎也は「待ってくれ」と言ったが、私はもう迷わなかった。
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そのの帰り。
織が私を追いかけてきた。
「佳代さん、本当にごめんなさい」
「織さんも専に相談して、自分と子どもたちを守って」
「はい」
「それから、もう『お兄ちゃんが何とかしてくれる』で決めない方がいいわ」
織は涙を拭きながら頷いた。
私自にも。
同じ言葉が。
必だったのかもしれない。
27。
私はいつのにか。
「慎也なら丈夫」
とうことを。
確認する代わりにしていた。
婚の話をしてから数、慎也の態度が急に変わった。の晩まで「全部俺が悪かった」と肩を落としていたのに、曜の朝になるとアイロンをかけたシャツを着て、妙に気な顔で私のにった。自分なりに反撃の材料を集めたらしく、テーブルへ枚のメモを置きながら「今の午、母さんのへ来てくれ」と告げた。
「親族で話しうことになった。母さんの兄の義雄叔父さんにも来てもらう」
私はコーヒーをみながら、その言葉を聞いた。慎也は昔から、自分では押し切れないとうと親族や司の名を持ちし、「みんなもそう言っている」という形へ話を変える癖があった。27、そのやり方に何度も付きってきたが、今回ばかりは数で押されて譲るつもりはなかった。
「義雄叔父さんには全部話した。佳代が2400万円持ってるのに、族を助けようとしないってこともな」
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「そう」
「叔父さんも、それは妻としてどうなんだって言ってたよ。それに俺も法律相談へった。600万円が俺名義の座にあったことや、夫婦には扶助義務があることも聞いてきた」
私は慎也のメモを見なかった。自分に都の良い部分だけを切り取り、を隠して買った経緯や、私の相続が別扱いになる点、織への説、旧宅のを利用した借入れまで正確に相談したとは到底えなかった。
「分かった。くわ」
慎也は私が折れたとったらしく、わずかに表を緩めた。
午、4200万円の居へ着くと、文、慎也、義雄のがリビングで待っていた。織の姿はなく、すでに子どもたちを連れてなまいへ移る準備をめているという。
義雄は私を見るなり腕を組んだ。
「佳代さん、話は聞いたよ。慎也もし無理をしたかもしれないが、族のためにやったことだろう。夫が困っているのに、自分の遺産だけ守って婚まで言いすのは、したいんじゃないか」
文もすぐ同調した。
「そうなのよ。慎也は男として頑張っただけなのに、佳代さんが全部悪いことみたいに言うから」
慎也は黙っていたが、その表には方を得たがあった。
私は鞄からクリアファイルをした。
「義雄叔父さん。慎也から本当に全部聞きましたか?」
「もちろんだ」
「では確認します。私はこのについて『賃貸へ引っ越す』と説され、購入そのものを半らされていなかったことは?」