"4200万円の隠し家" 第9話
慎也と暮らし続けることはできない。
彼が借をしたからではない。母親を助けようとしたからでも、妹を支えようとしたからでもない。私が父をくして最もっていた期を利用し、私に隠れてな契約を結び、なおかつ私の相続まで本の同なく返済計画に組み込んだ、そのやり方をもう信頼することができなかった。
帰宅した夜、私は寝に鍵をかけた。
翌、慎也に婚を考えていることを伝えた。
「そこまでのことかよ」
夫は愕然とした。
「を売ればいいんだろ。売ってやり直せばいいじゃないか」
「だけの問題じゃないの」
「じゃあ何だよ」
「あなたを信用できないことが問題なの」
慎也は「もう嘘はつかない」と何度も言った。
だが、本当に隠しているものがすべててきたのかさえ、私はまだらなかった。
そのはすぐ現実になった。
先から連絡があり、宅購入の資の流れに、説のつかない部分があると告げられたのだ。
600万円。
慎也は自分の積座から支払ったと言っていた。
しかし、その直。
同じ座へ。
きな額が。
別の所から入っていた。
先の事務所で見せられた資料には、慎也の座へ入されたの流れが理されていた。600万円を支払うし、慎也は複数回に分けてまとまった資を受け取っており、その所を追うと、通常の融資とは別の借入れへき着いた。
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総額は800万円くあり、利も宅ローンとは比較にならないほどかった。
「担保に使われているのが、ご主のお父様が残された旧宅のです」
私は瞬が分からなかった。
義父は15にくなっている。古い実とはその文が暮らし続けており、慎也は「母さんの」と呼んでいた。
「でも、お義母さんはそんな借の話をりません」
「そこが問題です」
先の説では、相続の名義理や管理が曖昧なまま残っていた部分を利用し、慎也が文に複数の類へ署名押印させていた形跡があるという。文自が契約内容を理解したで同したのか、別の説をされていたのかによって事はきく変わるため、現点で断定はできない。
私はすぐ文へ確認した。
「お義母さん、古い実のを担保にして慎也がおを借りていること、っていましたか?」
話で文はしばらく黙った。
「何を言ってるの?」
「を買う、慎也から関係の類に印鑑を押してほしいと言われませんでしたか?」
「あったわよ。でも、古いから引っ越すから名義を理するためだって……」
声が震え始めた。
慎也は母親にも分な説をしていなかった。
私はそこで、初めて彼の計画がどれほど危ういものだったかを理解した。
しいの購入価格は4200万円。
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から3600万円を借りた、や諸費用を作るために自分の積資を使い、さらに古い実のまで利用して別の借入れをねていた。その結果、元資が底をつき、カードローン200万円にまでをした。
母親のためにを買う。
そう言いながら。
母親が暮らしたまで危険にさらしていた。
妹のためにを買う。
そう言いながら。
妹には保証に関する責任を分説していなかった。
妻との老を守る。
そう言いながら。
妻の父が残した相続を勝に最の資源として考えていた。
その夜、私は慎也へ全資料を示した。
「これ、説して」
800万円の借入れ資料を見た瞬、慎也は子からつことさえできなくなった。
「母さんには、の続きをするだけだって言ったんでしょう」
「ちゃんと返せば何も問題ないとったんだ」
「あなたの言う『問題ない』は、何回聞けばいいの?」
「しいを買って、それから古いを売れば全部理できるとってた」
「それをお義母さんに説した?」
慎也は黙った。
「織さんの保証も?」
黙ったままだった。
「私の遺産を当てにしていることも?」
それにも答えなかった。
私は子へく座り直した。
「慎也。あなたが番恐れていたのは何?」
夫は顔をげた。
「お義母さんが古いで転ぶこと? 織さんたちが狭いで暮らすこと? 私が反対すること?」