"4200万円の隠し家" 第2話
川織 持分2分の1。
何度見ても、妻である私の名はなかった。
夫が私のらないところで3600万円もの借を背負い、そので妹と共する4200万円のを買っていた。しかも私には「頃な賃貸だ」と半も嘘をつき続けていた。
「の600万円は?」
「俺がした」
「どこから?」
慎也は答えなかった。
私たちは、老と今の自宅の修繕に備えて積みててきた資があった。座名義こそ慎也だったが、夫婦の活のために使うと何度も話しってきただった。
「まさか、あのおを使ったの?」
「俺名義の座だろ」
そこで初めて、私の声がしくなった。
「名義の話をしているんじゃない。の老との修繕に使うと決めていたおを、どうして私に言も相談せず600万円も使ったのかって聞いてるの」
慎也は線を落としたまま、母親の膝が悪かったことや、婚した織が子どもを育てていて変だったことを並べ始めた。どれも事としては理解できたが、それはしいを探す理由であって、妻に隠す理由ではなかった。
「なぜ私に相談しなかったの?」
何度目かの問いで、慎也はようやく本音を漏らした。
「……反対されるとったからだよ」
私はその言を聞いた瞬、りよりもいものが胸に沈んでいくのをじた。反対されるとったということは、彼自も夫婦で相談すれば当然問題になる計画だと分かっていたということだ。
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それでも話しうことを避け、私がらないうちに契約を済ませた。
「今ローンが落ちなかったのはどうして?」
慎也の会社ではしに事制度が変わり、管理職当が幅に減っていた。さらに娘の結婚に伴う費などがなり、慎也個の座に余裕がなくなったという。まだ度の引き落とし能にすぎなかったが、何も続く返済が始まって半も経たないうちに躓いていること自体が、計画の危うさを示していた。
「それで、これからどうするつもりだったの?」
慎也は答えなかった。
「払えなくなった、何で穴を埋めるつもりだったの?」
い沈黙の末、夫は消え入りそうな声で言った。
「佳代が相続したおを……に借りられたらって」
私は元のボールペンを置いた。
半、父がくなった。
2の闘病の末にくなった父が、私へ残してくれた2400万円。
それを。
慎也はもう。
自分の返済計画に組み込んでいた。
父がくなる2から、私の活は仕事と病院の往復で埋め尽くされていた。税理士事務所で夕方まで働き、いったん自宅へ戻って簡単な夕を用すると、そのまま病院へ向かう。病状が悪化してからは休もほとんど病で過ごし、父の細くなっていくを握りながら、どうでもいい常の話を聞かせていた。
慎也は、そんな私をなくとも表面は支えてくれていた。
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私が疲れてソファで眠り込めば毛布をかけ、「佳代は頑張りすぎだ。しくらい休め」と声をかけてくれたこともある。事ができないは惣菜を買って帰ってくれたし、父のことで突然病院へ呼ばれた夜には、黙ってをしてくれた。
だから私は、夫を信じていた。
父がくなったのは、たいが続いていたの終わりだった。葬儀とを終え、ようやく実の理を始めた、古い箪笥の引きしから冊の通帳が見つかった。残欄に記されていたのは、約2400万円という、私が像していなかった額だった。
父はさな町で定まで働き、母がくなったも質素に暮らしていた。もも壊れるまで使い、旅へくこともほとんどなく、自分のためには驚くほどを使わないだった。その父がいをかけて残した額を見た、嬉しさより先に胸が痛んだ。
「お父さん、もっと自分のために使えばよかったのに」
誰もいない実で、私は通帳を抱えたまま泣いた。
相続続きが終わった、私はそのを普段の活座とは完全に分けた。葬儀費用などに必な分だけを使い、残りにはなるべく触れず、老と娘に何かあったのために残しておこうと考えた。
そのことは慎也にも話した。
「お父さんが残してくれたお、基本にはそのまま置いておくね。