"欠陥品と呼ばれた歌姫" 第12話
「也まで」
「俺だけれてたら変だろ」
で笑った。
カメラマンがシャッターを切る直、私は13の朝をいした。
夜勤帰りで目を赤くしていた也。母親がいなくなったも分からず、パンをさくちぎってべていた良。そして、何をすれば正解なのか分からないままへ目玉焼きをした私。
あの、私たちは族になる約束などしていなかった。
ただ、そのを乗り越えるために緒に朝ご飯をべただけだった。
それが、またと続いた。
良が学へ入り、也の曲が初めて10万回再され、私たちが結婚し、でを買った。良がい始め、也が仕事部で娘の曲を作り、私は変わらず会社から帰って夕を作った。
族というものは、血がつながった瞬や婚姻届を提しただけで、突然完成するものではないのかもしれない。
毎、誰かが帰ってくるのを待つ。
同じ卓へ座る。
喧嘩して、謝って、次の朝には「おはよう」と言う。
そういうさな積みねに、あとから名をつけたものが族なのだと、今の私はう。
撮が終わったあと、で商のへ入った。
特別なレストランではない。良が学の頃から好きだったで、今でも「写真撮ったくらいいところこうよ」と言っても、良は「ここのオムライスがいい」
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と譲らなかった。
料理を待っていると、父からいメッセージが届いた。
《恵にはもうを渡さないことにした。仕事を探すよう言った。おたちには迷惑をかけんようにする》
私はし考え、《分かった》とだけ返した。
恵がそのどこへったのか、私はらない。
父のところへもう度来たのかもしれないし、別の町で暮らし始めたのかもしれない。いつか自分の選んできたことと真正面から向きえるが来るのか、それも分からない。
ただ、もう私は妹が何を持っているか、何を失ったかを数える必がなかった。
あの、美容で恵は私に言った。
「貧乏妊女」
良には、
「欠陥品のガキ」
と言った。
25歳の私なら、その言葉を何も引きずっていたとう。
でも今は違う。
私は子どもを産めなかったかもしれない。
それでも母親になった。
良は幼い頃、でうまく話せなかった。
それでも今は、自分の声で何万ものへを届けている。
也は度、を失った売れないバンドマンだった。
それでも族を守りながら、自分のやり方でを拾い直した。
そして私は、度「結婚する価値のない女」のように扱われた。
それでもその、のから族として選んでもらった。
「ママ」
向かいに座っていた良が、急に私を呼んだ。
「次の曲さ、ママが作してよ」
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私は危うくを吹きそうになった。
「無理」
「何で?」
「文章をく仕事なんてしたことないもの」
「丈夫。ママが言いたいことけば、パパが何とかする」
也が楽しそうに頷いた。
「俺、曲つけるよ」
「あなたまで乗らないで」
「タイトルどうする?」
良はし考えた。
「『の朝ご飯』とか」
「すぎる」
「じゃあ『焦げたトースト』」
「もっと嫌」
也だけが「俺はそれ好きだけどな」と笑った。
私は呆れながら、のやり取りを聞いていた。
きっと、これからも何かは起きる。
良はを卒業し、いつかこのをるかもしれない。也の仕事がいつまでも順調とは限らないし、私たちもを取り、今と同じ暮らしを永に続けられるわけではない。
それでも、今ならし分かる。
切なのは、度もれないことではない。
帰ってきたいとえる所を、緒に作ることなのだ。
料理が運ばれてきた。
良が嬉しそうにスプーンを持つ。
「いただきます」
也もをわせる。
私はの顔を見てから、同じようにをわせた。
13、妹は枚の置きを残し、夫と娘を捨てた。
あのの私には、自分の子どもも夫も、きなもなかった。
ただ目のに、母親を失ったさな女の子と、疲れ果てた父親がいた。
だから、しだけを伸ばした。
次のも、その次のも、そのをさなかった。
そして13、写真ので良は私と也の真んにいる。
誰かに「本当の族ですか」と尋ねられたとしても、もう迷うことはない。
私はきっと、笑って答える。
「はい。ずっとから」