"欠陥品と呼ばれた歌姫" 第8話
17のライブハウス代とは違い、齢にった落ち着いた雰囲気になっていた。
「わ、なんか業界っぽい」
恵が窓のを見て言った。
次に助席のドアがき、制姿の良がりてきた。肩までの黒髪をゆるく結び、学指定の鞄を持ったごく普通の姿だったが、画でっている顔をっている若い美容師が「あれ?」とさな声をげた。
「もしかして、AIRAちゃん?」
別のスタッフも窓を見た。
「え、本当だ。似てる」
恵は最初、良だけを見ていた。「何、モデル?」と興そうに眺め、それから也が内へ目を向けた瞬、鏡のの妹の表が凍った。
「……也?」
声がかすれた。
私は聞こえないふりをして、子からちがった。のドアがき、也が「お疲れ」とをげる。そのろから良も入ってきて、私を見つけるなり「ママ、待った?」と笑った。
「ううん、今終わったところ」
良は自然に私の隣へち、仕がった髪を見ながら「いいじゃん、写真映えしそう」と言った。私は「あなたのためにくわけじゃないわよ」と笑い返したが、そのも恵は子からちがれず、を交互に見ていた。
「ちょっと待って」
ようやく恵が声をした。
「何?」
私が振り返ると、妹の唇がさく震えていた。
「也……だよね?」
也もそこで初めて恵に気づいた。目を見き、「……恵?」と名を呼んだが、それ以づこうとはしなかった。
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13ぶりに元妻を見たとしては、驚くほど静かな反応だった。
「何ででいるの?」
恵はちがった。
「何でって」
私は度、也と良を見た。13、狭いワンルームで焦げたトーストをでべた朝から、ここまで来るにどれだけのがあったのだろう。妹へ説するにはすぎるだった。
「紹介するね」
恵が私を見る。
「私の夫、也」
妹の目がきくなる。
「それから、私たちの娘の良」
恵の体が、本当に刻みに震え始めた。
「うそ……」
良は、目のの女を議そうに見ていた。
「ママ、この誰?」
私はし迷った。良には14歳のに、産みの母が恵であること、幼い自分を残していなくなったことをすでに話していた。私たちは本がになるに、のからではなく、父親と私の言葉で伝えるべきだと考えたからだ。
あの、良はしばらく黙ったあと、「じゃあさい、回だけママはって聞いた?」と尋ねた。良は覚えていたのだ。朝起きたら母親のが消えていて、それから度と戻ってこなかったのことを。
美容で私が答えるより先に、恵が歩へた。
「良!」
娘が眉を寄せる。
「私よ。ママよ」
内が静まり返った。
「あなたの本当のママ!」
良の顔から、瞬だけ驚きが消えた。代わりに、私がほとんど見たことのないたい表が浮かんだ。
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「ああ」
良は静かに言った。
「13、私を置いてどっかったね」
恵が言葉を失った。
「覚えてたの?」
「全部じゃないけど」
良は私の腕へ自分の腕を絡めた。
「でも、本当のママも何も、私のママはこのだけだから」
私は胸の奥がくなった。
けれど、そこで恵が引きがることはなかった。
会計を終え、私たちはをた。
也は最まで恵を責めなかったし、良も必以に何かを言おうとはしなかった。私はそれで終わりにしたかったが、へ向かおうとしたところで、背から慌ただしい音が聞こえた。
「待って!」
振り返ると、恵が美容からびしてきた。カットは終わっていたものの、セットは途半端なままで、肩にかけたブランドバッグもずり落ちそうになっている。
「どういうことなの?」
也が静かに答えた。
「見た通りだよ」
「いつから?」
「何が」
「お姉ちゃんと!」
恵は私を指差した。「私がいなくなってすぐ付きったんでしょ?」と責めるように言うので、私はさすがに呆れた。
「あなたがいなくなってから何もで活をて直して、そのあと結婚したの」
「何で?」
「何でって?」
恵は度也を見て、それから信じられないことを言った。
「だって也、あの頃ただの貧乏バンドマンだったじゃん」
也はさく息を吐いた。
「そうだね。あの頃の俺は本当に何もなかった」
「でしょう? 雇いで、音楽も売れなくて、未来なんてなかったじゃん」
「だから働いたよ」
也は声を荒げなかった。