"欠陥品と呼ばれた歌姫" 第7話
顔には当然13分のが刻まれていたが、周囲を品定めするような目つきだけは昔と全く変わっていなかった。
恵だった。
妹は最初、私に気づいていなかった。「いつもの青のが予約取れなくて仕方なく来たんです」と誰も聞いていないことを受付で話し、真由美から席へ案内されながら内を見回していた。その途で鏡越しに私と目がい、恵のが止まった。
「……嘘でしょ」
私も瞬、が止まったような覚になった。方をらなかった妹が、まさか自宅から歩いてける美容へ突然現れるとはっていなかったからだ。けれど議なことに、13の置きを読んだのようなりは湧かなかった。
「お姉ちゃん?」
恵は数秒私を見つめ、それから急に笑った。
「久しぶり」
私が答えると、妹は何事もなかったかのようにづいてきた。「まだこの辺んでたの? ていうか髪染め? やだ、老けたね」と言い、私の顔をからまで慮なく眺める。真由美は事をっているので、らかに表をくした。
「42歳なんだから髪くらいあるよ」
「まあね。私より4つもだもんね」
妹は満そうに笑った。どうやら13というがあっても、をに置いてしたがる性格だけは何も変わっていないらしい。
恵は自分の席へ案内されたものの、わざわざ「お姉ちゃんの隣がいい」
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と言った。美容師がし困った顔をしたが、空いていたのでそのまま隣の子へ座り、カットが始まるとすぐにまた私へ話しかけてきた。
「お姉ちゃん、まだ独?」
「違うよ」
「え?」
恵はらかに予していなかったらしく、鏡ので目を丸くした。
「結婚してる」
「……へえ。できたんだ」
言い方に、昔と同じ棘があった。「子どもは?」と続けて聞かれたが、私は雑誌へ目を落としたまま答えなかった。すると恵は、自分に都のいい結論へ勝にたどり着いた。
「ああ、やっぱり無理だったんだ」
真由美のが止まりかけた。
「昔から言ってたもんね。お姉ちゃん、妊なんでしょ?」
私は鏡越しに妹を見た。普通ならになれば言ってはいけないことくらい分かるはずなのに、恵にはその覚がないらしい。むしろ私が傷つくところを見たいようない笑みを浮かべていた。
「でもよかったじゃん。子ども産めなくても結婚してくれる男がいて」
「そうね」
「どんな? 同じ会社の冴えないおじさんとか?」
「音楽関係」
私が答えると、恵の表がほんのし止まった。しかしすぐに、「音楽関係ってライブハウスの受付とか?」と笑いばした。
私はそれ以説しなかった。
その点で、あと20分ほどすれば也が迎えに来ると分かっていた。別に妹を驚かせるために黙っていたわけではなく、今さら自分の活をつずつ説して理解してもらう必がないとっただけだ。
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恵は、そんな私の態度が気に入らなかったらしい。もっと私が傷つき、羨ましがり、自分の13を尋ねるとっていたのだろう。やがて、わざとらしく「あ、そういえば」と声をげた。
「良って、まだ元気?」
私は雑誌を閉じた。
「元気よ」
「そうなんだ」
恵は笑った。
「私、あの子絶対どっかおかしいとってたんだよね。全然しゃべらなかったじゃん」
胸の奥がたくなった。
「子ども産めないお姉ちゃんにプレゼントした欠陥品のガキ、ちゃんと育った?」
美容の空気が気に変わった。真由美だけでなく、くにいたスタッフまで会話を止め、恵を見た。私は13の置きにかれていた《良も分どっかおかしい》という文をいした。
昔なら、鳴っていたとう。
けれど今の私は、妹を見ながら静かに言った。
「元気に育ったよ。あなたが像できないくらいね」
「何それ。余裕ぶっちゃって」
恵はで笑った。
「貧乏妊女さんのくせに」
その、鏡台に置いていた私の携帯が震えた。画面には也からのいメッセージが表示されていた。
《仕事終わった。良も拾ったから、あと5分で着く》
私は画面を伏せた。
恵は何もらず、まだ楽しそうに私を見していた。
5分、美容のに黒いが止まった。
ちょうどカラーを終えた私は、髪を乾かしてもらいながら窓のを見た。
運転席から也がりてきたが、そのは音楽会社との打ちわせ帰りだったので、普段のパーカー姿ではなく黒いジャケットを着ている。