"捨てられた夏の肖像" 第3話
「広美。し話がある」
テーブルのには、見覚えのない茶い封筒が置かれていた。父は私が追いされた経緯にどうしても納得できず、を通じて調査会社へのを調べてもらっていたのである。私はそんなことをしていたとはらず、封筒から何枚もの写真がてきた瞬、息が止まりそうになった。
が若い女性と腕を組んで歩いている。
ホテルの入へ入る。
級レストランで向かいって座る。
そして、妊娠に「休勤」と言っていた付まで、調査報告には記録されていた。
女性は梨という29歳の会社員で、父親が産会社を経営する裕福な庭の娘だった。は私がを妊娠した頃から彼女と交際を始め、周囲には「妻とはもう終わっている」と説していたらしい。さらに調査員が接触したのから、信じられない話までてきた。
は梨との再婚を考えていた。
しかし自分の貞が原因で婚すれば、慰謝料を請求される能性がある。
だから。
「広美の方に男ができれば番楽なんだけどな」
そんなことを職の同僚に漏らしていたという。
私は報告を読みめながら、妊娠の妙な来事をいした。の友が急に頻繁に連絡してきたり、職の元同僚から事へ誘われたりしたことがあったが、私は妊娠だったこともあり全て断っていた。
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当は偶然だとっていたが、が私に倫をさせるため、周囲の男性を使っていた能性までかれていた。
それが失敗した。
そしてがまれた。
自分と顔が似ていなかった。
にとって、それは都のいい実になったのだ。
DNA鑑定を提案した。
彼が瞬黙った理由。
結果を見て青ざめた理由。
それでも「偽物だ」と言い張った理由。
全部つながった。
「お父さん……あの、最初からが自分の子だって分かっていたの?」
父は答えなかった。
ただ、唇をく噛んでいた。
私ので。
に対して残っていた最のが。
その。
音もなく消えた。
の倫をったあと、私は再び弁護士へ相談した。相の貞がらかになれば慰謝料請求はできたが、それだけで度決まったの監護状況が直ちに覆るわけではなく、本の活環境やも考慮されると言われた。私は何よりを連れ戻したかったが、だけでけば、かえって娘を混乱させる能性もあった。
そこで私は、定期な面会交流を求めた。ところがと澄は、が「会いたくないと言っている」と主張し、約束のになるたび体調良や予定を理由に止した。まだ幼い本から直接確認する方法もなく、私は毎のように娘のために用したや絵本を箱へ入れ、宅配便で送るしかなかった。
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返事は度も来なかった。
それでも私は誕もクリスマスも忘れなかった。カードには「へ。ママはいつでもあなたのことを切にっています」とき、の写真を枚だけ添えたこともある。いつかがきくなった、なくとも「母親は自分を忘れていた」とだけはってほしくなかった。
方、は何もらずにすくすく育っていった。よく笑い、よくべ、し見りはするものの、慣れれば誰にでも自分から話しかけるるい子だった。私の両親もを溺し、父は休になると公園へ連れていき、母は毎晩のように絵本を読んでくれた。
父親について尋ねられるが来ることを、私はずっと恐れていた。幼稚園での子の父親を見るたび何かじるのではないかとったが、はなほどそのことをにしなかった。それどころか、学に入って最初の父のをにした授業参観で、私は娘からいがけない言葉を聞くことになった。
そのの授業では、「わたしの族」という作文をずつ発表することになっていた。先から事に内容を聞いていなかった私は、が父親について何をいたのかになり、教のろで無識にを握りしめていた。やがての名が呼ばれ、さな体で教壇のへった。
「わたしのは、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、わたしの4族です。