"午前3時の離婚届" 第4話
つながらない。
「ブロックされているようです」
俊介の顔が変わった。
「運転は?」
「今朝、奥様はを使っていません」
「の者は?」
「奥様の買い物を伝っていた政婦も連絡がつかないそうです。関係者を、度すべてブロックされた能性があります」
俊介は窓際へ歩いた。
昨夜。
彼は確かに会社にいた。
型再発案件の融資条件が急に変わり、財務チームと徹夜で資料を作っていた。け方には携帯話の池が切れ、それに気づいたのは朝だった。
私が12回話したことさえ、らなかった。
まして。
のInstagramに何が投稿されたかなど。
像もしていなかった。
俊介のでは。
私はっても。
をる女ではなかった。
し拗ねる。
泣く。
けれど、彼が帰れば。
いつものように事を温め直す。
自分はそうい込んでいた。
「探せ」
俊介は言った。
「美咲がどこへったか」
「午からとの面談が」
「分かっている」
俊介は宮本を見た。
「でも今は、妻がいなくなった方がだ」
正午過ぎ。
弓から話が来た。
「お兄ちゃん、もう聞いた?」
「何を」
「美咲さん、お母さんから1億2000万円もらってていったよ」
俊介の表が消えた。
「……今、何と言った?」
「だから、婚してあげるから1億2000万払えって。すごいよね。あんなにお兄ちゃん好きって言ってたのに」
「誰が払えと言った」
「お母さんだって、その方が得だって。
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財産分与されたらもっと取られるでしょう?」
俊介のに力が入った。
「美咲は何て言ってた」
「さんも帰ってきたし、席を譲るって」
沈黙。
「今から俺のでの名をすな」
弓が黙った。
「お兄ちゃん、何ってるの?」
「美咲がをた、何を着ていた?」
突然の問いに、弓は戸惑った。
「赤いワンピース。すごく派なやつ」
俊介が目を閉じた。
赤。
お見いの。
私も赤いワンピースを着ていた。
い茶髪で。
遅れてレストランへ入ってきて。
父親から無理に連れてこられたことを隠そうともせず。
『結婚する気、あんまりないんですけど』
最初の言でそう言った。
俊介は目で私が誰か分かった。
けれど。
私は。
彼をらない顔で見た。
俊介は、そのからつだけ確信していた。
――今度こそ、この女を自分のそばから失いたくない。
なのに。
結婚して3。
私は再び。
彼のから消えた。
しかも。
今度は自分ので。
午5過ぎ。
俊介のが私のマンションを見つけた。
結婚、父が私名義で購入してくれたさな部だった。スーツケースはあったが、私はいなかった。
その頃。
私は親友の友子と子玉川のバーにいた。
黒いミニワンピース。
いヒール。
濃い。
友子が私を見て、笑いながら言った。
「3の美咲に戻ったみたい」
「戻ったんじゃない」
私はカクテルをんだ。
「たぶん、ずっと閉じ込めてただけ」
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今は泣かない。
俊介の名も言わない。
そう決めた。
杯目をんだ頃、くにいた男性からダンスに誘われた。断ろうとったが、友子に背を押され、しだけ踊った。
久しぶりに。
誰の目も気にせず。
音楽にわせて体をかした。
男が私の腰へ軽くを添えた。
その瞬。
の入付がざわめいた。
黒いスーツ姿の男が入ってきた。
俊介だった。
彼は私を見つけた。
正確には。
私の腰へ置かれた男のを見た。
俊介の顔は。
私がっているどんな表よりたかった。
「美咲」
名を呼ばれる。
私はけなかった。
俊介は混みのを真っすぐ歩いてきた。
テーブルのへ。
婚届を置く。
「これは何だ」
「見れば分かるでしょう」
「説しろ」
「どうして?」
私は笑った。
「自由にしてあげたじゃない」
俊介の眉がく。
「あなたは好きなのところへけばいい。私だって、もう自分の好きなようにする」
腰へあった男のを、俊介がつかんだ。
「すみません」
男に向かって言う。
「このは俺の妻です」
「もうすぐ元妻になるわ」
俊介が私を見る。
「俺は署名してない」
「あなたの都でしょう」
私は婚届を指で押し戻した。
「曜の朝、弁護士事務所へ来て。そこで全部終わらせましょう」
俊介はしばらく私を見た。
それから、私の黒いワンピースへ線を落とす。
「その格好で酒をんで、らない男に触らせて何してる」
胸の奥で。
何かが爆発した。
「今、それを言う?」
私は携帯話をした。
保していたのInstagramをく。