"保険金つき同居" 第10話
「婚するかもしれません」
「それはあなたたちの問題です」
みよ子は静かに答えた。
「私は、あなたと優太のどちらがより悪いか決めるためにここへ来たんじゃありません」
「お母さん……」
「でやったことです」
ゆかりは何も言えなかった。
その。
佐々を通じた協議が本格に始まった。
居を維持したまま1500万円相当を返す余裕は、優太夫婦にはなかった。売却した、宅ローンを清算しても定の残額がる見込みだったため、そこからみよ子へ相当額を返還し、残りを夫婦で処理する案がされた。
最終に。
居は売却されることになった。
みよ子はそれを聞いても。
勝ったとはわなかった。
自分が度は「4の」と呼んだ所が、半も経たず売りにされる。
しくないはずがなかった。
それでも。
戻るつもりはなかった。
その夜。
斗から話が来た。
「おばあちゃん」
「どうしたの?」
「、売るんだって」
「そうみたいね」
「俺、転になるかもしれない」
の声が震えていた。
みよ子は目を閉じた。
がしたことの結果を。
子供も受ける。
それだけは。
どれだけっていても胸が痛んだ。
「斗」
「うん」
「おばあちゃんは、あなたとは縁を切らないよ」
話の向こうで。
が泣き始めた。
「でも」
みよ子は続けた。
「お父さんとお母さんを助けるために、自分まで嘘をつく必はない。
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あなたはあなたのをきなさい」
それは。
70歳になって。
ようやく自分自へ言えるようになった言葉でもあった。
居の売却が決まってから約1ヶ。
みよ子、優太、ゆかり、佐々の4で最の話しいがわれた。
宅の売却代からローンを清算し、みよ子の1500万円については、元に残ると優太夫婦の貯蓄をわせ、部をすぐ返還する。残りは数で分割して支払うことでにづいていた。
活費として渡していたについて、みよ子は返還を求めなかった。
「そこまで取り戻したいとはいません。私も実際にんで事をしていましたから」
佐々は確認した。
「本当にそれでいいですか?」
「はい」
慰謝料についても。
きな額を求しなかった。
みよ子が欲しかったのは、相を破産させることではなかった。
自分がしたを能な範囲で戻し。
自分のを切りすこと。
それだけだった。
話しいの最。
優太がをげた。
「母さん、本当にすまなかった」
以よりさく見えた。
髪にはいものが増えていた。
みよ子は息子を見ながら。
幼い頃の顔をいした。
をして晩を握っていたこと。
運会で転びながら最までったこと。
学へ受かった夜、健と3で寿司をべたこと。
そのすべてが嘘になったわけではない。
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43。
していた。
それも事実だった。
だからこそ。
痛かった。
「母さん」
優太がもう度言った。
「もう回だけ、やり直せないかな」
みよ子はしばらく答えなかった。
「何をやり直すの?」
「族を」
「私はあなたのお母さんに戻って、また何もなかったようにすればいいの?」
「そうじゃない。でも俺、本当に反省してる」
「優太」
みよ子は静かに息子の名を呼んだ。
「親はね、子供に将来何か返してほしいとって育てるんじゃないの。なくとも私はそうだった」
優太の目が赤くなった。
「あなたがさい、ご飯をべさせたことも、学へかせたことも、学の学費を払ったことも、私は度も貸しだとっていない。全部、あなたに幸せになってほしかったからしたことよ」
「分かってる」
「いいえ」
みよ子は首を振った。
「あなたは忘れたのよ」
部が静かになった。
「私が1500万円をしたからってるんじゃない。5万円を取られたからでもない。凍品をされたからでもない」
度言葉を切った。
「私が番許せないのは、私をのとして見なくなったこと」
優太が俯いた。
「私の判断力を奪おうとした。私のを管理しようとした。私がくねばいいと話した。それをしたのは、赤のじゃない。私が43育てた息子だった」
ゆかりも黙って聞いていた。
「だから、私は戻らない」
「母さん……」
「許すが来るかもしれない。でも、許すことと同じ族関係へ戻ることは別よ」
優太が顔をげた。
みよ子の目には涙があった。