"保険金つき同居" 第8話
斗はポケットからさなUSBメモリをした。
「これ」
「何?」
「父さんと母さんのパソコンに入ってた」
勝に見たことを責められるとったのか、は怯えたように説した。
ある、学のプリントを印刷するため族共用のパソコンを使った。そこで「母」という名のフォルダを見つけた。
には。
みよ子の通帳を管理するためのメモ。
介護施設の料表。
命保険の類。
そして。
〈認能 相談に伝えること〉
という文があった。
「に、おばあちゃんが同じ話を何度もするとか、財布をなくすとかいてあった。でも、そんなの俺見たことないから」
みよ子はUSBを握った。
「これ、持ってきて丈夫なの?」
「コピーだけ。元はそのまま」
斗は俯いた。
「俺、最初は母さんが言うこと信じてたんだ。おばあちゃん病気だから、俺たちが面倒見なきゃいけないんだって。でも、だんだん変だとって」
「それで階段で何か言おうとしてたのね」
斗が頷いた。
「でも怖かった」
14歳。
両親に逆らうには。
まだ子供だった。
みよ子はを責められなかった。
「斗」
「うん」
「おばあちゃん、あなたのこと嫌いになってないよ」
の肩がきく揺れた。
「でもつだけ約束して」
「何?」
「これからは、誰かに言われたからって、を傷つける言葉を言わないで。相がおばあちゃんじゃなくても」
斗は何度も頷いた。
広告
その夜。
みよ子はUSBのを確認した。
そこには。
優太夫婦がみよ子の物忘れを「記録する」ため作っていた表まであった。
92、同じ話を2回。
95、薬をんだか分からないと発言。
99、財布の所を忘れる。
しかし。
その付を見たみよ子は。
すぐに気づいた。
95。
みよ子は病院へももしていない。
薬をんだか分からないなどと言っていなかった。
99。
財布をなくしたのは。
みよ子ではない。
ゆかりだった。
は。
これから起きるかもしれない認症を配していたのではない。
すでにしない「症状」を作り始めていた。
佐々からは、度をれた方がいいと勧められた。
「録音の内容だけでなく、経済な管理をめようとしていることが確認できます。今、印鑑や類を勝に持ちされる能性もあります」
「でも、私がていったら、あのたちのい通りじゃないですか」
「違います」
以、森から言われたのと同じ言葉だった。
「これは敗ではありません。交渉する所を変えるだけです」
みよ子は考えた。
そして決めた。
優太夫婦に何も告げず。
必なものだけを先に運んだ。
仏壇の位牌。
健の写真。
通帳。
印鑑。
保険証。
契約。
着替え。
残りはで取りに来ればいい。
域包括支援センターを通じて、齢者向けの期滞宅を確保してもらった。
広告
をる朝。
斗だけには伝えた。
「しばらく別のところで暮らすね」
「俺のせい?」
「違うわよ」
「父さんと母さんには?」
「帰ってきてから分かるでしょう」
斗は唇を噛んだ。
「おばあちゃん」
「何?」
「俺も緒にた方がいい?」
みよ子は首を振った。
「あなたはまだ子供よ。の問題まで背負わなくていい。ただ、自分で見たことを忘れないで」
昼過ぎ。
みよ子はをた。
1500万円をしただった。
自分の部を作ると言われて購入しただった。
それでも。
玄関を閉めた瞬。
議なほど肩が軽くなった。
夕方。
優太から話が来た。
最初の3回はなかった。
4回目。
みよ子は応答した。
「母さん、どこにいるんだよ!」
「全なところよ」
「何勝なことしてるんだ。配するだろ!」
みよ子はわず笑いそうになった。
「配?」
話の向こうが静かになった。
「何だよ」
「何でもないわ」
「すぐ帰ってきて」
「帰りません」
初めて。
はっきり言った。
「、佐々先から連絡があります。それまでは私に直接連絡しないでください」
「佐々って誰だよ」
「弁護士さん」
沈黙。
「母さん、何の話だ」
「あなたなら分かるでしょう」
そのまま話を切った。
10分。
ゆかりから着信。
なかった。
メッセージが届いた。
〈お母さん、何か誤解されているといます。族なんですから、まず話しいましょう〉
みよ子は画面を見つめた。
「族なんですから」
最まで。
同じ言葉だった。
翌。
優太夫婦へ弁護士名義の通が送られた。
そこには1500万円の宅資について協議を求めること、通帳管理求などの経済な扱い、命保険契約の経緯、認症を装うために作られたと考えられる記録について説を求めることが記されていた。