"保険金つき同居" 第5話
826、事を別にするよう言われる。
93、リビング使用制限。
98、通帳と印鑑を渡すよう求。
912、命保険会社の類を発見。
ではなく、起きたことだけをいた。
自分でもなぜそんなことを始めたのか分からなかった。ただ夫の健が昔、「困ったほど付をいておけ。の記憶は自分に都よく変わるから」と言っていたことをいしたのだ。
翌。
斗が学から帰ると、誰もいない台所でみよ子とになった。
「おかえり」
「ただいま」
は蔵庫をけ、麦茶をした。
みよ子はあえて何も言わなかった。
しばらくして斗の方からをいた。
「おばあちゃん」
「何?」
「母さんたちに、通帳渡した?」
唐突な質問だった。
「渡してないわよ」
斗はししたように息を吐いた。
「そう」
「どうしてそんなこと聞くの?」
は答えなかった。
その、玄関の鍵がいた。
ゆかりだった。
斗は反射にコップを置いた。
「俺、部く」
階へ駆けがっていく。
ゆかりは買い物袋を台所へ置きながら、その背を見た。
「斗と何を話してたんですか?」
「通帳を渡したかって聞かれただけよ」
ゆかりのが瞬止まった。
本当に瞬だった。
「変なこと聞くのね。あの子」
それから笑った。
みよ子も笑った。
そのから。
の女は、互いに何かを隠していることをりながら。
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何もらないふりをして同じで暮らし始めた。
がくった夜だった。
計は夜1をし回っていた。みよ子は喉が渇いて目を覚まし、をむため部をた。
階へがるつもりはなかった。
しかし階段脇を通った、からゆかりの声が聞こえた。
「本当に、あのいつまでいるつもりなのよ」
が止まった。
聞き違いだとった。
ところが次に聞こえたのは、優太の声だった。
「しょうがないだろ。今追いしたら変にわれる」
みよ子は階段のでけなくなった。
ゆかりの声は、普段みよ子に向ける丁寧な声とはまるで違っていた。
「毎見てるだけでイライラするの。歩くの遅いし、いちいち物音てるし、部だって寄り臭いし。病気が悪くなったって聞いたから、もっとく施設とか病院になるとってたのに」
の奥で脈打つ音がした。
すりを握らなければっていられなかった。
「言いすぎだって」
優太が言った。
みよ子はほんのしだけ救われた気がした。
息子だけは。
そうった直だった。
「俺だって、こんなに元気だとはってなかったけどさ」
のがくなった。
ゆかりが笑った。
「あなただって同じじゃない」
「でも1500万してもらったんだから、しばらくはするしかないだろ」
「しばらくって、いつまで?」
「らないよ」
音が窓を叩く。
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みよ子はゆっくりポケットからスマートフォンを取りした。震える指で録音能をいた。
全部は録れない。
それでも。
これ以、自分の記憶だけに任せてはいけないとった。
録音始。
その直。
ゆかりが言った。
「なるべくく逝ってくれればいいのに。保険も入るし」
全の血が気に引いた。
優太がい声で言った。
「おい、それはさすがに」
「何よ。本音でしょう?」
返事がない。
い沈黙だった。
みよ子は息を殺して待った。
やがて。
「……正直、考えたことはあるよ」
息子の声だった。
「母さんがいなくなれば、残った財産も俺たちに来る。ローンだってかなり楽になる」
みよ子は壁へをついた。
が震えている。
そのに座り込んでしまいそうだった。
「だったら、もうし追い込めばいいのよ」
ゆかりの声が続いた。
「も全部こっちで管理する。エアコンも費ももっと締める。本がここにいられないって言いせば番いいし、体調が悪くなればそれはそれで仕方ないでしょう」
「所に変にわれるぞ」
「表向き優しくしてればいいのよ。最物忘れがひどくて、おの管理も危ないんですって言えば、こっちが面倒を見てるようにしか見えないから」
みよ子はゴミ袋から拾った保険類をいした。
契約者、優太。
被保険者、渡辺みよ子。
1000万円。
偶然ではなかった。
さらにゆかりが言った。
「先にも来てもらうことになってるんでしょう?」
「来週な」
「そこで認症っぽいって話をして、通帳をこっちで管理した方がいいって言ってもらえばいいのよ」