"保険金つき同居" 第3話
廊の向こうから聞こえてくる3の笑い声を聞いていると、自分だけ透な壁のへされたような気がした。
斗の態度もしずつ変わった。
「おばあちゃん、テレビもうちょっとさくしてくれる?」
「ごめんね。うるさかった?」
「あと、廊に荷物置かないでよ。友達来る邪魔だから」
以なら「おばあちゃん」と呼びながら部へ入ってきたが、いつしか必なことしか話さなくなった。期なのだから仕方ないと、みよ子は自分に言い聞かせた。
ある曜、斗の友が3遊びに来た。みよ子はたい麦茶でもしてあげようとい台所へ向かったが、途で斗に止められた。
「おばあちゃん、今は部にいてくれる?」
「どうして?」
「友達来てるから」
「分かってるわよ。だから麦茶を――」
斗は目をわせなかった。
「いいから。頼むよ」
そのの夕方、友たちが帰ったも、斗から謝罪はなかった。
みよ子はるより先に、しくなった。
引っ越した初、「文化祭に来てよ」と笑っていた子と同じとはえなかった。
そして1ヶが過ぎた頃、優太から話があると言われた。
「母さん、宅ローンなんだけど、ったよりきつくてさ」
「でも、最初に計算したでしょう?」
「固定資産税とか保険とか、んでみないと分からない費もあるんだよ。だから母さんのの回りの物は、全部自分で払ってほしいんだ」
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みよ子は黙った。
優太が学だった頃、運靴が欲しいと言われて自分の物のコートを買うのを翌へ延ばしたことをいした。学へんだには、健とで貯めていた旅資も学費へ回した。
そんなことを、恩として数えたことはなかった。
親なら当然だとっていたからだ。
だから今も、息子から何か返してほしいわけではない。
ただ。
「緒に支えおう」と言って始めた活が、いつのにか自分だけがをし、自分だけが慮する活へ変わっていることが、みよ子には理解できなかった。
その夜。
仏壇のでをわせた、みよ子は初めてさくにした。
「お父さん。私、来るを違えたのかしら」
写真の健は、やはり答えなかった。
2ヶ目に入ると、ゆかりは「お母さんのため」という言葉をよく使うようになった。リビングのエアコンを使わないでほしいと言うも、甘い物を買うのをやめてほしいと言うも、最には必ず健康や節約を理由にした。
「お母さんの齢を考えたら、部でゆっくり過ごした方が体にもいいですから」
客が来るは、リビングへないでほしいと言われた。
「お母さんも気を使うでしょう?」
本当は、誰が気を使うのか。
みよ子にも分かり始めていた。
ある、台所へを取りにく途、ゆかりが話している声が聞こえた。
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「本当に変よ。このでで暮らせないって言われたら、こっちは断れないじゃない」
みよ子はを止めた。
相の声は聞こえない。
「まあ、のはしてもらったけど、それと毎緒に暮らすのは別でしょう?」
胸の奥がえた。
みよ子が自分から同居を頼んだことは度もない。
提案したのは優太だった。
「緒に暮らしたい」と何度も言ったのはゆかりだった。
それなのにでは、自分が暮らしできなくなったため、息子夫婦が仕方なく引き取ったことになっている。
みよ子は音をてないよう部へ戻った。
そのの夜、優太が帰宅すると、みよ子は何気なく尋ねた。
「ねえ優太。私がここへ来たことで、ゆかりさんに負担かけてない?」
優太はテレビから目をさなかった。
「急にどうしたの?」
「なんとなくね」
「母さん、ちょっと神経質になりすぎじゃない? ゆかりだって々やってくれてるんだから、細かいこと気にしない方がいいよ」
それ以尋ねても、自分が面倒な老になるだけだとった。
みよ子は「そうね」と答えた。
翌週。
ゆかりが通帳の話を始めた。
「お母さん、の座なんですけど、計をつにした方が管理しやすくないですか?」
「どういうこと?」
「8万円を全部計に入れていただいて、そこからお母さんに2万円ずつお渡しするんです。
病院代とか必なものは言ってくださればこちらで払いますから」