"20億追放妻の封筒逆転" 第2話
《結菜、これ見た?》
リンクをくと、産婦科の入からてくる健也が写っていた。
隣には若い女性がいた。肩までの黒髪で、淡いのワンピースを着ている。健也は女性の腕を支え、彼女はし膨らみ始めた腹部を守るようにを添えていた。
記事にはこうかれていた。
《斎藤グループ御曹司、倫相と産婦科へ。妻との婚は秒読みか》
私はい、その写真を見つめた。
りよりも先に目に入ったのは、健也の表だった。彼は笑っていた。私が治療を受けるため病院へったには、忙しいと言ってほとんど同しなかった男が、彼女の腕を切そうに支えていた。
数分、希から話が来た。
「結菜、丈夫?」
「うん」
「丈夫なわけないでしょう」
私は何も答えなかった。
希がし声を落とした。
「その、妊娠してるらしいよ。それも……双子だって」
双子。
その文字を聞いた瞬、私は初めて息ができなくなった。
5。
でもいいからと願い続けた。
けれど、健也は別の女性とのに、度にの子どもを授かった。
あまりに皮肉で、泣くより先に笑いそうになった。
その翌朝、義母から話があった。
ヶぶりだった。
「結菜さん」
声に昔の親しげな響きはなかった。
「今の午3、本へ来なさい」
「何のお話でしょうか」
「来れば分かります」
「お義母様――」
「その呼び方は、もうすぐ必なくなります」
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瞬、が止まった気がした。
「3ちょうどですよ。遅れないように」
話は切れた。
私は窓のを見た。
がりの京は、何も変わらずいていた。通勤するが歩き、が交差点を曲がり、くのビルの窓に朝が反射している。
ただ私のだけが、これからきく切り替わろうとしていた。
午255分、私は斎藤本邸のをくぐった。
都からでしれた所にある敷は、私が初めて訪れた5と何も変わらなかった。広い庭も、黒い瓦根も、玄関の畳も寸分の乱れなくえられている。その完璧さが、そのはひどくたくじられた。
このに仕えている田が、玄関で私を迎えた。
「奥様」
そう呼んだあと、ほんの瞬だけ目を伏せた。
「会ご夫妻は斎でお待ちです」
「ありがとう、田さん」
私はいつものようにをげた。
斎へ入ると、義父の信郎と義母の美佐子が並んで座っていた。のにあるきなテーブルには、い類の束と本の級万が置かれている。
私は正面の子へ座った。
「健也と美奈さんのことはっていますね」
義母が最初にをいた。
「はい」
「彼女は妊娠しています」
「それもっています」
義父が続けた。
「双子だ。現12週。医師によれば、今のところ順調らしい」
私は膝のでを組んだ。
治療のため病院へ通っていた頃、医師から「今回は難しいですね」
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と言われるたび、義母のため息をいした。今、目ののは、待ち望んでいた跡継ぎを度にもに入れたのだ。
義母は私を見つめた。
「このには、次の世代が必です」
「そうでしょうね」
「あなたには悪いけれど、もう結論をすなの」
その言い方が、古くなった具を処分するかどうか決めるように聞こえた。
義父が類を私のへ押した。
「婚だ」
私は枚目をめくった。
婚。
秘密保持。
報関への接触禁止。
斎藤グループに関係する内部報を第者へ漏らさないこと。
そして、婚成7以内に本を国し、原則として3帰国しないこと。
私は顔をげた。
「国へろということですか」
義母が即答した。
「あなたのためでもあります。残ってどうするの? 健也と美奈さんが族になるところを見続けるの?」
「私のため、ですか」
「ええ。お互い、きれいに終わらせる方がいいでしょう」
義父が別のを指した。
「その代わりだ」
額の欄。
私は瞬、数字を読み違えたかとった。
2,000,000,000円。
20億円。
「婚慰謝料および解決として支払う」
義父は淡々と言った。
「、困る額ではない」
確かにそうだった。
普通にきるなら、どころか数回をやり直せるほどのだ。
しかし、私にはその数字が、5の結婚活につけられた値札に見えた。
義母が言った。
「結菜さん。私たちはあなたを責めたいわけではないの」