"部外者会長の逆襲" 第4話
度だけ私は尋ねた。
「そのフォルダ、戸塚さんの権限でけるの?」
「課に教えてもらいました」
「権限申請した?」
「細かいですね。仕事なんだからいいじゃないですか」
その言葉が妙に引っかかった。
広告会社では、クライアントが公表の商品やキャンペーン報を預けることがある。誰でも好きに見ていい資料などしない。
私はその夜、自分のもうつの仕事用スマートフォンをいた。
レイヴン・セキュリティではちょうど、度からの広告戦略を見直していた。数億円規模のブランド広告と採用広告をまとめて任せる代理候補として、偶然にも央アドプランニングが最終選考へ残っていた。
私は自分が社員であることを理由に、その選定かられている。
だが、つだけ気になる報告を秘の成織から受けていた。
《会、競社にしか提示していないはずの資料と似た表現が、央社の提案に含まれていました》
そのは偶然の能性もあるとった。
けれど。
戸塚の自然なアクセス。
獅倉の成果の横取り。
そして、クライアント報への軽い覚。
私は初めて、職の嫌がらせと会社経営の問題が、どこかでつながっているのではないかと考え始めた。
営業部の会は、1旬の曜にかれた。
会は駅の居酒。
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戸塚が幹事を務め、共された参加表には私と航平も「席」と記載されていた。
仕事どれだけ嫌なことがあっても、会くらいは穏やかに終わらせたい。そうってでへ向かったが、座敷へ通された瞬、私は違を覚えた。
席がない。
正確には、座れないようになっていた。
空いているはずの所にはコートやバッグが置かれ、数分しかない鍋がすでに並んでいる。獅倉は座で楽しそうに笑い、戸塚は注文用端末を触りながらこちらを見ようともしなかった。
「俺たち、参加でしてたよな」
航平が声で言った。
「うん」
でったまま待っても、誰もかない。
私は戸塚へ声をかけた。
「戸塚さん、私たちの席は?」
彼女はようやく顔をげ、わざとらしく目を丸くした。
「あれ? 先輩たち、来る予定でしたっけ?」
「参加表に名をいてあるよ」
「そうでした? でも、もうこの数ぴったりで予約しちゃってて」
航平の声がしくなった。
「事に席と伝えている以、それは通らないだろ」
「そんなにらなくても。ちょっと詰めれば座れますよ」
そう言いながら、戸塚自はセンチもこうとしない。
私は獅倉を見た。
「課。幹事にどういう指示をしたんですか?」
獅倉はグラスを片に笑った。
「いや、だってさ。み会に夫婦で来られると、周りが気を使うだろ?」
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「参加することは事に伝えています」
「だから、その辺ちょっと空気読んでほしかったっていうかさ」
航平が眉を寄せた。
「夫婦であることが、参加できない理由になるんですか?」
「会社のみ会だぞ?」
獅倉は笑った。
「婚デートじゃないんだから」
何かが目を伏せた。
止めるはいなかった。
獅倉はそれで気を良くしたのか、さらに続けた。
「会社の経費で夫婦そろってもうとするのもどうなのって話。今は関係者だけでもうよ」
戸塚がさく笑った。
「部者は空気読んでくださいってことですよね」
その瞬。
胸ので何かが切れた。
声をげたいとはわなかった。
むしろ、議なくらい静かだった。
私は航平を見る。
彼も同じ顔をしていた。
「帰ろうか」
「うん」
それだけだった。
獅倉は、まさか本当に帰るとはっていなかったらしい。
「おいおい、冗談だって。そんなるなよ」
「席がないので」
「だから詰めれば」
「結構です」
私はをげた。
「お疲れさまでした」
座敷をる、背にいくつもの線をじた。
誰かが何か言いかけたような気もした。
それでも振り返らなかった。
をると、のたい空気が頬に当たった。
航平がく息を吐く。
「丈夫?」
「丈夫。むしろ、決ついた」
「何の?」
「いろいろ」
駐には、台の黒いセダンがまっていた。
の脇で、濃紺のスーツ姿の女性が待っている。
成織。
私の個秘であり、レイヴン・セキュリティの会でもある。
私たちの姿を認めると、織は礼した。