"真っ暗な部屋の退学届" 第3話
俺は何も言わず、残っていたポテトを本取った。
「じゃあ、頼む。その代わり掃除と洗濯は俺も覚える」
「覚えるところからなんだ」
「、何歳からでも成できる」
「39歳でも?」
「39歳をなめるな」
また美緒が笑った。
その。
葬儀をてから初めて。
俺はしだけした。
なくとも、美緒は俺ので笑える。
それだけでも。
このへ連れてきたことは違っていなかったのかもしれないとった。
ところが。
共同活が始まって2週ほどして。
俺はしずつ奇妙なことに気づき始めた。
美緒は度も。
俺ので泣かなかった。
美緒は驚くほど活能力がかった。
朝6半。俺が目を覚ましてリビングへく頃には、炊飯器から湯気ががり、噌汁のりがしていた。蔵庫には「夜これ温めて」といたメモが貼られ、俺の弁当まで作られているもあった。
「美緒。俺の弁当まで作らなくていいぞ」
最初の頃は何度も言った。
「ついでだから」
「ついででこんなの作れる?」
そのの弁当には卵焼き、ほうれんのおひたし、鶏肉の照り焼きまで入っていた。俺なら「ついで」にできるのは、せいぜい凍品をつく子レンジへ入れることくらいだ。
「お母さんに教えてもらったの」
「織、料理うまかったもんな」
「孝太郎おじさんが来るはくしてたって」
「何で?」
「健康診断の数値が悪いって聞いてたから」
広告
俺はわず箸を止めた。
姉とはそれほど頻繁に会っていたわけではない。それなのに、俺が酒をみすぎたとか、会社の健康診断で注されたとか、どうでもいい話まで覚えていたらしい。
「姉さん、余計なことばっか覚えてんな」
そう笑うと、美緒も笑った。
そんな々が続いた。
休にはで買い物にき、美緒から洗濯物の分け方を教わった。俺がタオルといシャツと物を全部まとめて洗濯へ放り込もうとすると、美緒は本気で呆れた顔をした。
「移りするよ」
「今までしたことないぞ」
「気づいてないだけじゃない?」
「美緒先、厳しいな」
「徒が来悪いから」
こうして活だけ見れば、俺たちは像していたよりく「族らしい形」に収まっていった。
会社の同僚、にもその話をすると、彼は美緒の作った弁当を覗き込みながらした。
「およりしっかりしてるじゃん」
「否定できないのが腹つな」
「3だろ? 受験もあるのに偉いな」
そう言われて初めて、俺も改めて考えた。
美緒は受験だった。
母親をくしたばかりなのに。
引っ越しをして。
活環境も変わり。
それでも毎朝起きて学へき、夕飯を作り、洗濯を伝い、夜には机へ向かっている。
「最の子っていな」
は何気なく言った。
俺も最初はそうった。
だが、その言葉をにしかけてやめた。
広告
い。
しっかりしている。
偉い。
俺たちはそういう言葉を、本の負担を軽くするためではなく、自分たちがするために使っているだけなのではないか。
そのことに気づいたきっかけは、ある夜だった。
午1。
をもうと廊へると、美緒の部のからかりが漏れていた。
しだけいた扉の隙からを見ると、美緒は机に向かっていた。参考には何もの付箋が貼られ、ノートは文字でびっしり埋まっている。
「まだ起きてるのか……」
声をかけようとして、やめた。
集しているようだった。
3の。
受験勉も本格になる期だ。
俺は台所へ戻った。
何かしてやりたいとったものの、勉を代わってやれるわけではない。そこで考えた末、米を温め、梅干しを入れておにぎりを握った。
形はひどかった。
角形というより、岩だった。
牛乳を温めてココアを作り、お盆へ乗せる。
再び部のへき、ノックした。
「美緒、入っていい?」
「え? う、うん」
扉をけると、美緒はし驚いた顔で振り返った。
「これ」
お盆を差しす。
「夜。梅干し好きだって、姉さんから昔聞いた気がしたから」
美緒はココアと格好なおにぎりを見比べた。
「ココアと梅干し?」
「組みわせについては言うな。俺なりの限界だ」
美緒がさく笑った。
「ありがとう」
「無理するなよ。も学だろ」
「うん」
俺はそれ以何も言わず、部をた。
廊へた瞬。
から。
「お母さんみたい」