"消えた金づる夫" 第3話
俺はテレビから目をし、妻の顔を見た。
瞬、さすがに冗談かとった。
しかし娘まで目を輝かせている。
「楽しみだな。もきたいし、買い物もしたい」
俺は尋ねた。
「3でくのか」
「そうだけど?」
妻は悪びれる様子もなかった。
俺の妻と娘が、妻の浮気相と旅へく。
普通なら、そこで鳴りつけてもおかしくない。
しかし俺は何も言わなかった。
それどころか、ので笑った。
これ以ない会だった。
数、2は確実にを空ける。
俺が準備してきたことを、気に実できる。
その夜、俺は弁護士へ連絡した。
「予定をめます」
そして静かに付け加えた。
「妻たちが旅へるに、全部終わらせます」
旅当の朝。
妻と娘はいから騒がしかった。
きなスーツケースを玄関へ運び、忘れ物がないか何度も確認している。妻は品らしいを着て、娘も普段より入りに支度をしていた。
俺はリビングでコーヒーをみながら、その様子を眺めていた。
妻たちは、俺が何もらないとっている。
拓哉との関係も。
旅のも。
自分たちがどこまで俺を馬鹿にしてきたかも。
そして俺が、今を待っていたことも。
娘が最にスマートフォンを鞄へ入れ、玄関で靴を履いた。
「じゃあ、ってくるね」
その、こちらを振り返って笑った。
「あんたは私たちのために、しっかり働いててよ」
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以なら聞き流していたかもしれない。
だが、もうする必はなかった。
俺はソファからちがり、2を見た。
「そうか」
妻がこちらを見る。
俺はゆっくり言った。
「じゃあ、今でさようならだな」
「は?」
「永に帰ってこなくていいぞ」
瞬、玄関が静かになった。
娘は目を丸くし、妻も俺の顔を見た。
しかし数秒、妻はで笑った。
「何それ。負け惜しみ?」
俺は何も答えなかった。
妻は俺が嫉妬しているとでもったらしい。
「けない男ね。私たちは帰ってきます。ここは私たちのなんだから」
娘も横からを挟んだ。
「帰ってこなくていいのは、あんたの方なんだけど」
そして骨に嫌そうな表を浮かべた。
「マジで顔見るのもうっとうしいし。せっかくの旅なのに朝から台無し。ほんと消えてくれないかな」
その言葉を聞いても、腹はたなかった。
むしろ確認できて良かった。
最の最まで、この2は変わらない。
俺はもう返事をせず、自分の部へ戻った。
背では妻が何か言っていたが、聞く必はなかった。
数分、玄関の扉が閉まる音がした。
窓からを見ると、妻と娘がスーツケースをに積み込んでいた。
やがてがき、の向こうへ消えていった。
俺はその姿が見えなくなるまでっていた。
そしてので呟いた。
本当に、永にさようならだ。
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これから何が起きるか、楽しみにしていろ。
俺はすぐにスマートフォンを取りした。
最初に話をかけたのは、すでに話をつけていた引っ越し業者だった。
「予定通りお願いします」
昼には、作業員が数やって来た。
俺の荷物は事にかなりまとめてあったため、運びしは驚くほどくんだ。
。
仕事関係の資料。
パソコン。
本。
自分で購入したや具。
必なものは居へ運んでもらった。
妻と娘の荷物も理した。
勝に処分するつもりはなかったので、こちらは事に契約していたくのレンタル倉庫へまとめて移した。
妻の量の。
バッグ。
靴。
娘の私物。
あれほど物で溢れていたが、数で空になっていった。
夕方くになると、リビングには何もなくなった。
置かれていたソファもない。
テレビもない。
テーブルもない。
壁だけが残り、声をせば響きそうなほど広くじた。
俺はしばらく、空っぽになった部の央にっていた。
議な気分だった。
ここで何も暮らした。
妻と娘の顔をうかがい、に帰っても居所がなく、自分の部へ逃げ込むように過ごしていた。
広いマンションだった。
しかし俺が自由に使える所など、最初からほとんどなかった。
「もう終わりか」
わず声がた。
寂しさより、肩の荷がりた覚の方がかった。
しく借りたマンションは、ここよりずっと狭い。
だが俺1なら分だった。
何より、そこでは誰かに邪魔者扱いされることもない。