"消えた娘の38分" 第11話
発見されたのは、夜1115分だった。
美緒は、川のくのむらにうずくまっていた。
いジャケットを着て、両膝を抱え、息を潜めるようにを縮めていた。周囲に誰もいなかった。元にはがつき、髪には枯れ葉が絡んでいた。
しかし、きていた。
捜査員がゆっくりづくと、美緒は反射にを引いた。声をさず、ただ相のきを見ている。痕跡を残さないように、音をてないように、訓練されたかのような静かな状態だった。
それは本能にい沈黙だった。
救助隊員は膝をつき、できるだけ優しい声で話しかけた。
「美緒ちゃん、寒かったね。もう丈夫だよ」
美緒はい沈黙の、さく唇をかした。
「……ママ」
その声を聞いた隊員の目が瞬潤んだ。
医療スタッフが直ちに呼ばれ、美緒は保温シートに包まれた。体温症の初期症状が確認されたが、識は比較はっきりしていた。体検査の結果、目つ傷は見つからなかった。
しかし、理な状態はらかに通常ではなかった。
声はさく、周囲ののきに過敏に反応した。名を呼ばれてもすぐには答えず、物音がすると肩を震わせた。
1、部から隔された活に適応していたのだ。
この発見によって、事件の性質はさらに鮮になった。
犯罪は単なる誘拐ではなかった。
期な隠蔽計画に基づいた、体系な実だった。
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美緒が救助されたことで、捜査は最終段階へ突入した。
警察は彦の供述がなくても、分な物証と状況証拠を確保していた。
の隠れ。
子ども用の活用品。
購入履歴。
指紋。
図。
壁に残された文字。
そのすべてが、彦が1、美緒をのに隠していたことを示していた。
捜査チームは、この事件が単独犯ではなく、佐藤健が組織と接触し、自の兄に美緒を隠させたという構造であるとの結論にづいていった。
その未、捜査本部は隠れと部を全面に封鎖し、残された証拠の収集を始した。
隠れのからは、子ども用の活用品、教材、古いカレンダーが見つかった。そのカレンダーの321には、赤い印がつけられていた。
事故発と同じ付だった。
その付は、犯罪の始まりと、終わりへ向かう筋をしていた。
1の失踪は、健が作った計画の部であり、彦はそれを実に移した具だった。
警察の報告には、次のような文が残された。
この子はので1を失った。
だが、犯罪の痕跡は1たりとも止まらなかった。
美緒はきて戻った。
けれど、失われたは戻らない。
救助現に残された空気は、たく、そしてかった。
佐藤彦が逮捕され、美緒が救助されてから2、捜査は法な続きへと移した。
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事件の核は、最初から佐藤健にあった。
融取引履歴。
通話記録。
マンションの入退記録。
犯罪組織との接触。
そして兄・彦の関与。
すべての証拠は、1つの方向を指していた。
1に事故だとされていた来事は、図な犯罪の構造だった。
健は債務と資のプレッシャーを理由に、美緒を犯罪に利用した。兄を介し、犯罪組織とのつながりので、自分の破綻を隠そうとした。
捜査チームは、健を児童誘拐、犯罪幇助、組織隠蔽、証拠隠滅の容疑で検察に送致した。
取り調べので、健は事故と記憶喪失を繰り返し主張した。
「俺は何も覚えていない」
「事故だった」
「娘がどこへったのからなかった」
しかし、その言葉はもう通用しなかった。
操作された監カメラ映像。
削除されたデータ。
1億8000万円の引きし履歴。
横浜のプリペイド携帯との通話記録。
兄・彦との接触。
そして事故当のマンション駐での38分。
すべてが健の主張を崩していった。
法廷でも、最もきな焦点となったのは、その38分だった。
幼稚園をた、健のはまっすぐ事故現へ向かわなかった。マンションへち寄り、駐で38分していた。その、美緒の所持品は寝のに隠され、はへ向かった。
事故現に残されたには、美緒の姿はなかった。
この空のこそが、犯実のだったと検察は主張した。
裁判所は、計画な犯罪であると判断した。