"消えた娘の38分" 第9話
物資が途絶えれば、彦は必然にかざるを得ない。
監が始まって4週目、隠れの周りに奇妙な変化が現れた。
それまで定期に見られていたゴミの排が止まった。
へりる回数も目に見えて減った。
装置に映る反応も定ではなくなった。
にいるが焦り始めている。
捜査員たちはそう判断した。
作戦本部では、美緒の反応が慎に分析された。部と完全に切りされた状態で、期潜伏を続けることは能にい。物資がすれば、彦は必ずどこかでく。
「焦らせすぎても危険です」
理分析官が言った。
「しかし、かさなければの状況は見えません」
捜査本部はしばらく資料を見つめ、静かに頷いた。
「監を続ける。突入の判断は、者の全確認を最優先とする」
そのだった。
ドローン映像に、決定なものが映った。
塞がれた窓のわずかな隙から、さながいたのだ。
ほんの瞬だった。
けれど、体のきさ、き方、のさから判断して、子どもの能性が極めてかった。
映像は何度も再された。
捜査員たちは画面に顔をづけ、息を潜めるように確認した。
「……子どもです」
誰かが呟いた。
その言葉に、作戦本部の空気が変わった。
事件は、単なる方者の捜索ではなく、者の救作戦へと転換した。
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監範囲はさらに絞られ、員の配置も精密に調された。夜には隠れの周囲にセンサーが追加され、には目につかない形で捜査員が配置された。
彦は、警察の包囲が始まっていることに気づかないまま、内部で孤していた。
供が途えると、きはますます規則になった。にへなくなり、夜にの周辺を歩く姿が捉えられるようになった。折、建物の裏にち、の斜面をじっと見つめることもあった。
逃げを探している。
捜査員たちはそう見た。
監始から36目の夜。
彦は普段とは違う帯に、隠れのへてきた。
古い着を着込み、懐灯もつけず、探りのようにの境界線へ向かって歩いていく。彼はゆっくりと森のへ入り、暗いへ消えていった。
この点で、現指揮本部は第1段階の突入命令をした。
突入チームは音を遮断する装備と暗装置を使い、隠れへ接した。1つないので、隊員たちのきだけが空気を切り裂いていた。
を踏む音も、呼吸の音も抑えられていた。
数分、隠れの入に隊員たちが到達した。
ドアは古く、側から簡単な鍵がかけられていた。特殊部隊の隊員が具を差し込み、慎に解錠した。
きしむ音とともに、ドアがわずかにいた。
内部には、湿ったの匂いと、期閉ざされた空特のい空気がこもっていた。
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最初の部は活空だった。
には料品の袋が散らばり、簡易コンロ、古い毛布、の入ったポリタンクが置かれていた。テーブルのにはべかけの缶詰と、子ども用のさなスプーンが残っていた。
期にわたる潜伏の痕跡はだった。
奥にはもう1つ、扉があった。
その扉には内側から鍵がかかっていた。
隊員が慎に声をかけた。
「警察です。に誰かいますか」
返事はなかった。
もう1度、し柔らかい声で呼びかける。
「怖がらなくて丈夫です。助けに来ました」
沈黙が続いた。
やがて特殊部隊の隊員が慎にドアをけた。
そこには、さく古いベッドが1つあった。
子どもの靴。
ピンクのぬいぐるみ。
古い帳。
壁には、鉛でかれた落きが残っていた。
「ママ」
「ようちえん」
「かえりたい」
その文字を見た隊員の表が固まった。
跡鑑定の結果を待つまでもなく、それは子どものでかれたものに見えた。
美緒は、ここにいた。
部のには、まだ温かい空気が残っていた。布団もわずかに乱れており、つい先ほどまで誰かが寝ていたようだった。
警察は直ちに捜索範囲を広げた。
彦が美緒と緒に移である能性がかったからだ。
しかし、隠れの内部を調べるうちに、さらにながかりが見つかった。
クローゼットのに隠されていた型蔵庫には、子ども用の事やみ物が残されていた。