"消えた弟と制服の父" 第7話
殺容疑だった。
介は抵抗しなかった。
ドアをけ、脇へ寄り、刑事たちをのに入れた。
「これが来るだろうとっていた」
彼は平然と言った。
のは然としていた。カーテンは引かれ、流しはきれいに片付いていた。棚には拓也の写真が置かれていた。2歳の誕の子をかぶったが、写真ので笑っていた。
警官たちは介に権利を読みげ、静かに錠をかけ、へ導いた。
所の芝にを撒いていた女性が、を止めてその様子を見つめた。
介はその女性と瞬目をわせ、軽くうなずいた。
その週のうちに、介は群馬へ移送された。
逮捕のニュースが届いた、涼子は正当化された気持ちと、恐怖を同にじた。追い越そうとしていた過が、再び玄関先に戻ってきたからだった。
彼女は捜査官に全面に協力した。
結婚活ので持っていた類やをすべて提した。
さらに、介の姉である吉子にも連絡を取った。
吉子は、涼子と別居も細く連絡を取っていたが、介とは何も距を置いていた。
涼子がしい捜査について話すと、話の向こうで吉子はしばらく黙った。
それから静かに言った。
「話さなければならないことがあるとう」
数、吉子は警察に証言した。
1991の、拓也の失踪から数週、介から夜に話を受けたという。
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彼の声は必で、定だった。
吉子は証言ので言った。
「彼は、『あの子を殺してしまったとう』と言いました」
彼女は、どういうか尋ねた。
しかし介はうまく説できなかった。
「拓也だった。全てがあまりにく起きた」
そう言って、話は切れたという。
吉子は当、警察へかなかった。
介が精神に追い詰められているだけだといたかった。悪いか、聞き違いだったといたかった。
だが今、彼女はその判断を悔していた。
織の記憶。
吉子への話。
1991当から残っていた矛盾。
それらが組みわさり、捜査官たちは事件を再び構築し始めた。
島拓也の失踪事件は、群馬県内で再びきく報じられた。
かつて息子を必に捜す父親としてカメラのにっていた元警察官が、今度は容疑者として報じられた。
マスコミは彼を「法を守る側から容疑者へ転じた男」と描いた。
刑事たちは再び島へ戻った。
今は別の族がんでいるだった。庭、川、古い焚きのの跡、かつてけ垣があった所。すべてがもう度調べられた。
保管されていた報告も掘り起こされた。
ランニング。
距計。
猫の弾検査。
当は偶然に見えたものが、今ではがかりのように見えた。
しかし介は、取調で以と同じように静だった。
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「息子に何が起きたのか、見当もつきません」
弁護士を通じて、彼は無実を主張した。
島介の裁判は、拓也が姿を消してから4くが経った19951に始まった。
裁判所のにはが残っていた。古い建物のには、と埃と緊張の匂いが漂っていた。法廷はくから満員になった。
京からの記者、全国メディア、群馬の所の々、かつて介と同じ署で働いていた警察官たち。
介は被告席に座っていた。
肩を角く張り、両をで組んでいた。顔は40歳という齢より老けて見えたが、落ち着いていた。かつて胸につけていたバッジは、もう返却されていた。
涼子も法廷にいた。
彼女はろの席に座り、にティッシュを握っていたが、それを使わなかった。織はまだ法廷に入っていなかったが、その名は誰の唇にもっていた。
検察側は、事件を慎に組みてた。
検察官は冒陳述で、ゆっくりと話し始めた。
「これは、りの瞬についての事件です。1つの命を終わらせた瞬と、そのに続いた3の沈黙についての事件です」
検察側の主張はこうだった。
1991318の朝、介はランニングにた。その途で野良猫を撃った。銃声と異変に気づいた拓也が父親を追ってへた。
拓也が猫の体にづいた、介はり、制御を失い、を叩いた。
その打撃はすぎた。
拓也はを打ち、かなくなった。
本来なら、そこで助けを呼ぶべきだった。
しかし検察は、介が警察官としての訓練を命を救うためではなく、自分の為を隠すために使ったと主張した。