"止められた12枚" 第7話
彩子は静かに指示した。
「めてください。業務横領、背任、そして詐欺の疑いで告訴状を提してください」
弁護士は頷いた。
「元ご主様はどのくらいの刑が予されますか」
彩子は窓のを眺めた。
「会社の法カードを10、好き放題に使っていた額は5億円を超えます。それに両の無断使用、交際費名目での級クラブ通いまでわせれば、初犯であっても執猶予は難しいでしょう」
弁護士は静かに類を閉じた。
「罰を受けるべきです」
彩子はくで夜がけ始める空を見つめた。
「そろそろ最の挨拶をしにかないとね」
翌朝。
健と都はもできずに夜をかした。
にったはずの弓は、晩戻らなかった。話も繋がらない。メッセージも既読にならない。
「お母さん、弓はなんで話にないんだろう。何かあったんじゃないかな」
健の声は震えていた。
都は自分に言い聞かせるように首を振った。
「まさか、そんなことはないでしょう。の用事が引いているのよ。それか、あの邪悪な彩子がまた邪魔をしているのかもしれないわ。もうし待ってみましょう。100億円なんて、そう簡単にはに入らないものよ」
は次第にきくなり、恐怖へと変わっていった。
その、インターホンが鳴った。
ピンポーン。
「来た。弓が来たんだ」
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健はび起き、玄関へ駆け寄った。都も痛む膝を抱えながら、を追った。
「弓、どうしてこんなに遅かったんだ」
健は満面の笑みでドアをけた。
しかし、そこにっていたのは弓ではなかった。
黒いスーツを着た屈な男が2。
そしてそのろに、腕を組んでつ彩子の姿があった。
「彩子……お、なんでここに」
彩子の隣にいた男が、分証を提示した。
「警庁能犯罪係です。健さんでお違いありませんね」
「は、はい。そうですけど、何か」
「健さん。業務横領および背任の容疑で逮捕します」
刑事が健の首に錠をかけた。
かちり、という音が玄関に響いた。
「どういうことだ? 横領だなんて。俺が何をしたって言うんだ」
健はもがいたが、刑事の力にはかなわなかった。
「元奥様の会社の法カードで、10にわたり5億8000万円をお使いになりましたね。それは会社の公です。私に流用すれば横領になることを、ごじありませんでしたか」
健は信じられないというように彩子を見つめた。
彩子は無表で彼らを見ろしていた。
「警告したはずよ。カードの細は全部持っているって。婚届に判を押す、1度は見逃してあげたのに、あなたたちがその幸運を蹴ばしたのよ」
都が震える声をげた。
「彩子、なんてことをするの? 私たちは族だったじゃない。
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私はあなたを娘のようにっていたのに」
彩子はしだけ笑った。
その笑みは、鋭い刃のようだった。
「お義母さん、まだのにいるんですね。弓という女は、詐欺で全国指名配されている女です。今頃、に乗って国へ逃げようとしているでしょう。お義母さんの庫にあったものを、全部根こそぎ奪ってね」
「な……なんだって」
都は像のように固まった。
昨夜、自分ので渡したショッピングバッグ。
老資。
命綱。
貴属。
全て。
「ああ、いや。私のお……私のお!」
都は鳴をげ、に崩れ落ちた。泡を吹くように痙攣する都を見て、健が泣き叫んだ。
「お母さん! お母さん、しっかりしてくれ!」
そして健は彩子を睨みつけた。
「この悪魔。おはか? のすることか?」
彩子はたく答えた。
「? そうよ。私はだわ。でも、あなたたちは私をとして扱わなかった。あなたたちにとって私は、寄するための具だった」
彼女は歩もづかず、静かに言った。
「さあ、その代償を払うよ。刑務所で反省してきなさい。借を返すためには、てきたも必で働かないといけないでしょうけどね」
彩子は刑事に線を向けた。
「連してください」
健の絶叫と、に倒れた都のうめき声がマンションの廊に響いた。
彩子はエレベーターのボタンを押し、スマートフォンを取りした。
「すべて終わりました。これから会社に戻ります。今の役員会を招集してください。株主の皆さんに説しないと。