"8年目の生マイク" 第4話
髪交じりの老婆が、警戒に満ちた目で顔をした。
「どなた」
は懐から警察帳を取りし、老婆の目のさにわせて見せた。
「宇都宮警察署犯係のです。しずさんでいらっしゃいますね」
は帳との顔を見比べ、ゆっくり頷いた。
「そうだけど、警察が今さら何の用だい」
「8に隣にんでおられた本田さゆりさんの失踪事件について伺いました。しでお話を伺ってもよろしいですか」
本田さゆりという名がた途端、の顔がくなった。
彼女はし迷ったあと、をきくき、2をのへ招き入れた。
古い革のソファに腰をろすと、は帳とボールペンを取りした。
「さん、8のことなので記憶も曖昧かもしれませんが、あののけ方、何か普段と違ったことはありませんでしたか」
はしわの寄ったで膝を何度もさすり、く考え込んだ。
しばらくして、決したようにをいた。
「実は、あののお巡りさんたちに、全部は拾ってもらえなかった話があるんだよ」
と佐藤は同にを乗りした。
「それは何ですか」
「け方の4頃だったかね。トイレにきたくて目が覚めたんだけど、隣のから変な音がしたんだよ」
「どんな音でしたか」
は拳を握り、テーブルをどんと叩いた。
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「まさに、こんな音だよ。何かすごくたいものがに落ちるような音。ドンって響いたんだ」
佐藤が素く帳にき留める。
「その音は、確実に本田さんのから聞こえたものですか」
「違いないよ。うちの寝とあのの居は壁1枚隔ててるだけだから、きな音は全部聞こえるんだ」
は、8の調をので素く振り返った。
しかし、その証言は記録のどこにも残っていなかった。
「さん、こんなにな話を、あのはどうして話されなかったんですか」
は悔しそうにいため息をついた。
「話さなかったわけじゃないよ。話したさ。でも、あの来たお巡りさんは、まともに聞きもしなかった。夫婦喧嘩でもして物を投げたんじゃないですか、なんて軽く笑われたから、私もそれ以は言わなかったんだ」
のが止まった。
初捜査で逃したもののさが、胸に沈んだ。
「そのも、その音は気にかかっていたんですね」
は寂しそうに頷いた。
「さゆりさんが結局帰ってこなかったって聞いてからは、寝ても覚めてもあのドンって音がいされてね。夜も眠れなかったよ。でも警察がだって流れにしたなら、私が何を言えるっていうんだい」
佐藤が慎に尋ねた。
「そのドンという音以に、何か覚えていることはありませんか。
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のエンジン音とか、の話し声とか」
は目を閉じ、記憶をたどった。
「の音……あったような気もするよ。ブルルンってエンジンの音がしたような。でも8のことだからね。本当だったのか、聴だったのか、はっきりとは言えない」
は席をち、丁寧にをげた。
「さん、今は本当にきな助けになりました。また何かいしたら、昼夜問わず、いつでもご連絡ください」
は杖をつきながら、2を玄関まで見送った。
「今からでも、あのの事がしでもるみにればいいんだけどね。さゆりさん、あんなにいいだったのに、あまりにもかわいそうで」
をると、佐藤が刻な表で言った。
「班、け方4の鈍い音。これ、完全に匂いますよ」
は煙の箱を取りし、1本をくわえた。
「8にこの証言を掘りげていれば、状況は違っていただろうな」
煙を吐く彼の顔には、苦いが浮かんでいた。
そのの夕方、2の刑事は本田さゆりのの友、恵子のを訪ねた。
64歳の恵子は、元の喫茶でさゆりと最も親しく付きい、本音を打ちけう仲だった。応接に通されると、湯気のつティーカップが3つ置かれた。
は穏やかな声で尋ねた。
「本田さゆりさんが失踪されるし、何か変わったことをおっしゃっていた記憶はありませんか」
恵子はティーカップの取っに指を添え、記憶を呼び起こすように線を落とした。
「変わったことといえば……さゆりが消える1ヶくらいから、面が沈むんじゃないかってくらいいため息をつくようになったんです」