"317号室の隠し壁" 第1話
1996915、のホテルから3の客乗務員が消えた。
午1147分、彼女たちはホテル・スカーレットローズにチェックインした。翌朝、部のベッドはえられたままで、スーツケースはかれていなかった。制はクローゼットに品同様に吊るされ、洗面台も浴も使われた形跡がなかった。
防犯カメラには、彼女たちが緒にエレベーターに乗り、笑いっている姿が残っていた。
だが、3階の廊カメラだけが、その夜に解な具を起こしていた。
それから28。
3の族は、答えのないを抱えてきてきた。
2024、ホテル・スカーレットローズは解体を待っていた。かつての沿いで観客や婚旅客を迎えていたピンクの壁は、潮にさらされ、古い骨のようなに変わっていた。
建設作業員の田龍は、30く解体現で働いてきた男だった。古い建物の壁の奥には、に像もしない空洞や配管が隠れている。それ自体は珍しいことではない。
しかし、その、317号の仕切り壁をハンマーで突いた瞬、田はいつもの触と違うものをじた。
断材でも、古い配線でもない。
壁の向こうに、妙な空があった。
田はを止め、ヘルメットので眉を寄せた。砕けた膏ボードの穴に懐灯を向けると、の筋が数分の暗を切り裂いた。
広告
その先に見えたものを理解した瞬、田の呼吸が止まった。
彼は無識に歩ずさった。ブーツので割れた膏が乾いた音をてる。震えるでポケットから携帯話を取りし、現責任者に連絡した。
1、静岡県警の佐藤美咲刑事が到着した、3階の廊はすでに黄い規制線で封鎖されていた。
佐藤は県警で15勤務し、そのうち最の7を未解決事件の担当として過ごしていた。現の空気を吸った瞬、彼女は田の顔に残っている青さを見た。
それは、単に気の悪いものを見たの顔ではなかった。
根本に違ったものを見てしまったの顔だった。
佐藤は袋をはめ、狭い部から壁の奥をのぞき込んだ。
そこは、かつて3つの客が並んでいた所の背をる、幅の狭い隠し空だった。空気はほこりと沈黙でく、いのに閉じ込められたような匂いがした。
コンクリートのには、女性のが自然なほど正確に並べられていた。
3の靴。
3つのハンドバッグ。
航空の社員証。
どれも、所者がつい先ほどそこかられたかのようにえられていた。
佐藤は最初の社員証のそばに膝をついた。袋をした指先が、わずかに震える。プラスチックカードので、若い女性が笑っていた。
名は、田弓。
広告
佐藤はその名をっていた。
部署にいる未解決事件担当の刑事なら、誰もがっている名だった。
続いて、本京子。
鈴。
1996915、ホテル・スカーレットローズから消えた3の客乗務員。
28、がかりも遺体もなく、族に答えを与えないまま古いファイルので眠っていた事件。その証拠が今、してはならない壁の奥からてきた。
佐藤はしばらく言葉を失った。
これは単に未解決事件が再びきしたという話ではない。
誰かが28、正しい所を見られるのを待っていた。
あるいは、永に見つからないと確信していた。
彼女は携帯話を取りし、相棒の刑事に話をかけた。廊の奥では、解体作業員たちが青ざめた顔で巻きに現を見ている。
「、ホテル・スカーレットローズに来て」
佐藤は声をく保った。
「族にも連絡する必がある。28を経て、ようやく彼女たちの所持品が見つかった」
そこまで言って、佐藤はもう度、壁のの空を見た。
だが、すぐに別の疑問が浮かんだ。
所持品がここにある。
も、靴も、バッグもある。
では、3の遺体はどこにあるのか。
誰が、この所をっていたのか。
そして誰が、1997の改装事で、この証拠を壁の奥に封じ込めたのか。
佐藤美咲の机のには、古い聞アーカイブから印刷した写真が置かれていた。
航空の体のに、3の女性が並んでいる。制はきちんとえられ、笑顔には、まだ世界を信じているだけが持つるさがあった。