"20年目のマネキン" 第4話
午5ちょうどに始まるお気に入りのテレビ番組を見ていたからだ。部のテレビではオープニングの音楽が流れていた。由紀はソファに座り、煙にをつけようとしていた。
その、携帯話が鳴った。
画面にはリナの名が表示されていた。
「もしもし、リナ?」
話の向こうのリナの声は、いつもよりさかった。囁くようで、しだった。
「由紀、今、神聖モデルズの事務所にいる。キャスティングはうまくいったとう」
「よかったじゃない」
由紀は笑いかけた。
けれど、リナの声はるくならなかった。
「でも今、変な部を見せられていて……居が悪いの」
由紀は煙を持つを止めた。
「変な部?」
「具みたいなところ。カメラマンが、あまりにもフレンドリーで、しつこいじがして。部に薬品みたいな匂いがする。しがくらくらする」
その言葉に、由紀の背筋がえた。
「迎えにこうか?」
「丈夫。私が神経質になっているだけかもしれない。カメラマンとの話を終えたら帰る。1にまた話するね」
「本当に丈夫?」
「うん。終わったらすぐ話する」
通話はそこで切れた。
由紀はテレビの画面を見ていたが、内容はに入ってこなかった。リナの声がに残っている。あの子があんな声で話してくるのは珍しかった。
午6を過ぎても話は来なかった。
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由紀は最初、オーディションの話が引いているのだとった。リナはチャンスが目のにあると、し無理をしてでも笑顔を作るタイプだった。契約の話になっているのかもしれない。
午7まで待った。
それから由紀はリナに話をかけた。
携帯話は源が切れていた。
由紀は眉をひそめた。
鉄に乗っているのかもしれない。バッテリーが切れたのかもしれない。そうおうとした。
午9、もう度かけた。
やはり源は切れていた。
午10になっても、リナは帰ってこなかった。
由紀は隣の部のドアを見つめた。いつもならこのには、リナの部から鍵をける音や、シャワーの音が聞こえてくる。けれど、そのは何も聞こえなかった。
由紀はリナの活をっていた。
リナは連絡なしに夜遅くまですることはほとんどなかった。何かあれば必ずメールか話を入れる。両親にも配をかけないよう、そういうところは几帳面だった。
午11頃。
由紀は警察に話した。
「友が帰ってきません。モデル事務所のキャスティングにったまま、連絡が取れないんです」
話の警察官は落ち着いた声で詳細を聞いた。
名、齢、体特徴。最に確認された所。着ていた装。携帯話がつながらないこと。午5頃に事務所から話があり、怯えているように聞こえたこと。
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由紀はできる限り正確に伝えた。
けれど、2002当、京の警察には約9万件の方届が登録されていた。そのくは48以内に見つかった。をした若者。族に予定を伝え忘れた。酔ってに迷った。予の所で眠っていた。
モデル事務所のキャスティングにき、夜になっても帰らない若い女性。
それだけでは、すぐに事件として扱われにくかった。
担当した警察官は、由紀の話を記録した。
「24以内に戻らなければ、正式な捜索を始めます」
「でも、リナは怯えていたんです。事務所から話してきて、変な部にいるって言っていました」
由紀は必に訴えた。
しかし、犯罪の具体な証拠がなければ、警察は即座にきくくことができなかった。
翌、928。
リナの両親が潟から京に到着した。
父の寿史は52歳。までの顔とは別のように老け込んでいた。母の緑は48歳。潟から京までの、ずっとハンカチを握りしめ、泣き続けていた。
由紀は両親と緒に野警察署へ向かった。
正式な方届が提された。両親は娘の写真、医療記録、友関係の報、捜索に役ちそうなものを全て持参していた。
事件を担当したのは、41歳の本健刑事だった。
本は粘りく几帳面な捜査官としてられていた。本としては背がく、178cmほどある。
角張った顎と鋭い目を持ち、相の言葉のわずかな揺れも聞き逃さないような男だった。