"20年目のマネキン" 第2話
話の女性は丁寧に話した。
面接は927曜、午4。
宿区にある事務所でわれるという。
リナは話を切った、しばらく携帯話を握りしめていた。胸の奥で臓がく打っている。休憩の蛍灯のが、いつもよりくるく見えた。
やっと来たのかもしれない。
そんな予が、彼女のに静かに広がっていた。
リナはそののことを、に隣でありレストランの同僚でもある沢由紀に話した通り、細部まで覚えていた。
2002927の朝は曇っていた。いのが京の空に垂れ込め、いつがってもおかしくない空模様だった。けれど結局、はらなかった。
リナはファミリーレストランでのシフトを午2に終えると、急いで野のアパートに戻った。狭い部ので制を脱ぎ、黒いパンツといブラウスに着替える。
キャスティングでは、派なよりも体型や顔ちが分かる装が好まれる。
余計な装飾は避けた。挑発なものも、目ちすぎるものもいらなかった。あくまで、自分自を見てもらうための装だった。
鏡のにち、髪をえた。く化粧を直し、ポートフォリオのフォルダーをく。写真が全て揃っているか、掲載誌の切り抜きが入っているか、何度も確認した。
それから、に備えてバッグに折り畳み傘を入れた。
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午315分。
リナはアパートをた。
廊にると、隣の部の由紀がバルコニーで煙を吸っていた。由紀はリナと同じレストランで働く同僚で、齢もく、京でのを何度も聞いてくれた友だった。
「オーディション?」
由紀が煙を吐きながら尋ねた。
「うん。神聖モデルズっていう事務所」
「聞いたことある。気をつけてね」
「丈夫。終わったら話する」
リナはそう言ってを振った。
それが、由紀がリナをきて見た最の姿になった。
神聖モデルズの事務所は宿区にあった。幹線からしれた、目たない5階建てのビルのだった。
1階は24営業のコンビニ。2階は歯科医院。3階から5階には、いくつかのさなオフィスが入っていた。神聖モデルズは4階全体を借りており、暗証番号式の鍵がついた専用の扉があった。
リナはエレベーターで4階へがった。
扉がくと、廊の奥に事務所の入が見えた。胸の鼓がくなる。彼女はバッグの持ちを握り直し、呼吸してからチャイムを押した。
に入ると、さな受付エリアがあった。
コーヒーテーブルと2つのソファ。受付デスク。壁には事務所所属とわれるモデルたちの写真が飾られていた。ビーチで着姿の女性たち。イベントでイブニングドレスを着た女性たち。プロの照で撮されたポートレート。
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リナはそれらの写真を見ながら、自分もいつかこの壁に並ぶのだろうかと像した。
受付デスクのろには、い髪と厳しい表をした30代の女性が座っていた。類を見ていたその女性は、リナが名乗ると顔をげた。
「加藤リナさんですね。々お待ちください」
女性はそう言うと、受付エリアのろに続く廊へ消えた。
数分、彼女は戻ってきた。
「こちらへどうぞ」
リナは案内され、両側にくのドアが並ぶい廊を歩いた。
いくつかのドアはいていた。には、ライトスタンドやソフトボックスのある撮スタジオが見えた。をかけるハンガーラックのある控もあった。コンピューターと類のが置かれたさなオフィスもあった。
廊の突き当たりくで、女性は「スタジオC」とかれたドアので止まった。
軽くノックし、ドアをける。
「どうぞ」
リナはさく会釈して部へ入った。
部はくらいの広さで、約30平方メートルほどだった。井はく、きな窓はい黒いカーテンで覆われていた。スタジオライトは消えており、唯の源は部の隅にあるテーブルランプだった。
そのいのせいで、部には親密で、どこか閉じた雰囲気があった。
央にはい撮用の背景幕が張られていた。そのに、脚に乗せたカメラが置かれている。
キヤノンEOS-1D。リナは雑誌の記事で、そのカメラがプロ用の種だとっていた。