"8年目の松林" 第7話
そこで松本先を見た」
集会所の空気がさらにくなった。
「先は誰かと話していた。男のだった。背のいで……顔も見た」
伊藤は言葉を切った。
「佐藤教だったとう」
その名に、数が息を呑んだ。
当、子どもだった伊藤は、同士が話しているだけだとった。おかしいとはわず、そのまま友達と遊びにったのだという。
その話を聞いて、が驚いたように顔をげた。
「俺も、似たようなものを見た」
全員がを見た。
「そのの夕方、に帰る途で松林を通った。そこで、誰かがを掘っていた。スコップを持っていた。背のい男だった」
「佐藤教?」
「そのはそうった。でも……顔までは見ていない。ろ姿だった」
は記憶を探るように眉を寄せた。
「がやることだから、何か作業してるんだろうってった。でも今考えると、変だった」
8の断片が、パズルのようにつながり始めた。
誰かが言った。
「警察に話したほうがいい」
翌、元教え子たちは美作警察署を訪ねた。
当の担当刑事はすでに転勤していなかった。しい刑事が話を聞いた。最初は8の話ということで、い関を示さなかった。
しかし証言は具体だった。
で聞いた泣き声。
松林で松本先と話す男性。
スコップを持ってを掘る物。
特に、の証言は捜査員の注を引いた。
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警察は、学裏の松林を捜索することを決めた。
8の沈黙が、ようやく破られようとしていた。
数、捜索チームが学裏の松林に入った。
松林は広かった。古い舎があった頃とは周辺の様子も変わっていたが、々の部はまだ残っていた。面には落ち葉が積もり、湿ったの匂いが漂っていた。
どこを掘るべきか、警察は最初、途方に暮れた。
そこでが同した。
「たしか、この辺りだったといます」
は当の記憶を辿りながら、松ののをゆっくり歩いた。8は子どもだった自分の目のさ、帰りの角度、見えたの形。その断片をひとつずつ拾いげるようにしてんだ。
やがて、きな松の2本のでを止めた。
「ここです。たぶん、この辺りでした」
警察官たちはその所を囲んだ。
スコップがに入った。
最初は何もなかった。乾いた落ち葉と黒いだけだった。30分ほど掘り続けた頃、1の警察官のスコップに何かが引っかかった。
「待て」
全員のきが止まった。
慎にを払うと、布の切れ端が見えた。
さらに掘りめた。
さ1mほどのところで、骨がてきた。
の骨だった。
現はすぐに緊張に包まれた。警察官たちは周囲を封鎖し、慎にを取り除いていった。
も緒にてきた。
いブラウスだった。いので黄く変していたが、形は分かった。
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黒いスカートの布も見つかった。
さらに、さな鞄があった。
松本美子が学に持っていっていたものと同じ形だった。
鞄のには、分証が残っていた。名には、松本美子とかれていた。
そのにいた誰もが、言葉を失った。
学からわずか100mほどの松林。
子どもたちが何度も通った所。
そこに、美子は8埋められていたのだ。
警察は科学捜査研究所に鑑定を依頼した。数、結果がた。見つかった遺骨は成女性のもの。期は8ほどと推定された。歯の記録と照した結果、元は松本美子であると確認された。
は衝撃に包まれた。
忘れかけていた名が、気に々のに戻った。
「本当にあそこにいたのか」
「学のすぐ裏じゃないか」
「私たちはその横を通っていたのか」
古くからにむ者たちは、顔を青ざめさせた。
警察は直ちに捜査を再した。
まず所を確認されたのは、佐藤教だった。現は岡県部の学でとして職していた。
平成2815、佐藤教は警察署に呼びされた。
彼は落ち着いていた。署に到着しても取り乱す様子はなく、背広の襟をえて取調に入った。
刑事は正面に座り、直接尋ねた。
「8のあの、学裏の松林で何をしていましたか」
佐藤教はし考えるように目を伏せた。
「記憶にありません。
8のことですから」
刑事は徒たちの証言を提示した。
「あなたがスコップを持ってを掘る姿を見たという証言があります」