"無能嫁のタワマン逆転" 第6話
それに何より、息子がここまで向きになってくれたことが、本当に嬉しかったのです。
徹が再びプログラミングに取り組み始めるきっかけとなった元同僚がいました。
名は美奈さん。
徹より5歳の女性で、以同じ会社に勤めていたそうです。徹が会社を辞めてしばらく経った頃、美奈さんから業務改善ツールの相談が来たことで、徹はもう度システム発に向きうようになりました。
そのも、2はよくビデオ通話で仕事の話をしていました。
私は々、リビングから漏れてくる徹の声を聞いていました。仕事の話になると、息子の声は自然とるくなります。
「そこは自化できるとう」
「この仕様なら、管理者側の画面も作った方が使いやすいかも」
「いや、それはユーザー側の負担が増えるからやめた方がいい」
かつて引きこもっていた息子とはえないほど、はっきりと見を伝えていました。
最では、カフェやレンタルスペースで美奈さんと直接会う会も増えているようでした。
ある、徹がの準備をしている、私は何気なく尋ねました。
「今も美奈さんと打ちわせ?」
「うん。駅のカフェで」
徹はし照れたように答えました。
「ただの輩で仕事仲だよ」
そう言う割には、シャツをいつもより丁寧に選んでいました。
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私はわず笑ってしまいました。
「あら、もしかして」
徹は顔を赤くしました。
「まだそういうんじゃないけど……事なではあるかも」
そのさな呟きに、私は胸がいっぱいになりました。
これまで誰ともく関わらず、い自分の部にこもっていた息子が、誰かを「事な」と言えるが来るなんて。
母親として、の底から嬉しかったのです。
「引っ越しして落ち着いたら、母さんにも紹介するよ」
徹はし照れながらそう言いました。
タワーマンションでのしい活に向けて、準備は着々とんでいきました。
契約の準備、事業用のインターネット備、法登記の相談。徹は以よりずっと忙しそうでしたが、その表には疲れだけではなく、へむのるさがありました。
私も荷物の理を始めました。
押し入れの奥から、古いアルバムがてきました。徹が学の頃の写真、夫とまだ若かった頃に旅へった写真、義父母の法事の写真。1枚1枚を見ていると、ここで過ごしたがかったことを改めてじました。
でも、懐かしさと同に、もうこので自分をすり減らしたくないといういもくなっていきました。
引っ越しまでの数、私と徹はまだにいました。
けれど、いつも通りではありませんでした。
私は夫のための事を放棄することにしました。
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朝、徹と2でトーストとコーヒーを用してべていると、夫がリビングに入ってきました。
「おい、俺の飯は?」
夫は嫌そうに言いました。
私はトーストにバターを塗りながら、静かに答えました。
「今は引っ越し準備だからこのにいるけれど、もう私たちはていったとってくれていいのよ」
「え?」
夫は私の言葉のが理解できないようでした。
「いないとってくれていいと言っているの。いないはご飯を作ったりしないでしょう」
夫の顔が赤くなりました。
「な、なんだと? そんな屁理屈が通用するとってるのか」
その、徹が落ち着いた声で言いました。
「父さん、俺たちがていったら、自分で事を作ったり掃除したりしなきゃいけないんだから、今のうちに慣れておいた方がいいんじゃない?」
夫は目を見きました。
「お、お、父親に向かってなんだそのの聞き方は」
これまで自分の部にこもり、まともに会話もしなかった徹からのわぬ反撃に、夫は底驚いたようでした。
私は息子を見ました。
徹は、もう昔のように父の言葉に怯えていませんでした。
私は夫に向かって言いました。
「簡単な料理やご飯の炊き方、洗濯の使い方や掃除の使い方なら、私がいるうちに教えておいてあげましょうか?」
「うるさい。いい気になるなよ」
夫は鳴り、自分の部へってしまいました。
その、私は徹に言いました。
「徹がお父さんにあんなことを言うなんて、驚いちゃったわ」