"お年玉泥棒の末路" 第10話
チャームには、綾音の名と修司さんのイニシャルが刻印されていました。
「わあ、素敵……」
わず声が震えました。
綾音がし照れたように言いました。
「私はカードをいただけだけど」
修司さんが笑いました。
「いや、綾音がこれを選んでくれたんだ。員さんに相談して」
そのやり取りを見ていた文さんが、穏やかな笑顔で言いました。
「本当にいい族ね。お祝いできてよかった」
私は胸がいっぱいになりました。
いろいろなことがあったお正でした。
文さんはあたりで入院し、美佐子さんは留守にへ入り込み、綾音のお玉まで持ちりました。
それでも今、私たちは4で笑いながら卓を囲んでいました。
パスタ、窯焼きピザ、肉料理、デザート。
文さんは「退院したばかりなんだから控えめに」と言われながらも、嬉しそうに料理を眺めていました。
修司さんがからかいました。
「なんだよ、お母さん。本当は自分がイタリアンべたかっただけなんじゃないの?」
文さんはし照れたように笑いました。
「この料理を楽しみにして、病院の事をしていたのよ」
私は言いました。
「またみんなで来ればいいじゃないですか。今度はお母さんのお誕に」
「そうね。そうしましょう」
そう言って、私たちは乾杯しました。
この族で事ができることを、私はから幸せだといました。
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翌、文さんはきっぱり宣言しました。
「もう美佐子は入り禁止。また勝に侵入されたら困るから、鍵も付け替えるわ」
本来であれば、自分の実なので鍵を持っていても議ではありません。今までも美佐子さんは、ドアチャイムを鳴らさずに自分で鍵をけてに入ってきていました。
けれど、それは文さんや私がにいるだったから、どうにか見過ごされていただけです。
留守に勝に入り、料やお酒を持ち帰り、綾音のお玉まで盗んだとなれば、もう話は別でした。
修司さんはすぐに業者を呼び、の鍵をしいものに交換しました。
そして数。
玄関のチャイムが連打されました。
「ちょっとけてよ。に入れないじゃない。どういうことよ」
ドアの向こうから、美佐子さんの鳴り声が聞こえてきました。
あれだけ言われて入り禁止まで宣告されたのに、平気な顔でやって来たのです。さすがとしか言いようがありません。
文さんはドアをけず、インターホン越しに静に答えました。
「入り禁止って言ったでしょ」
「ひどいじゃない。族を締めすなんて」
「族なら、棒みたいな真似はしないわ」
そのも美佐子さんは玄関のでしばらく鳴っていましたが、誰も応答しませんでした。
数、私のスマホが鳴りました。
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相は美佐子さんでした。
ると、彼女はしだけしおらしい声を作っていました。
「悪かったわ。ごめんなさい。夕をべにってもいいでしょ」
その調から、全然反省していないことが伝わってきました。
私はく息を吸い、はっきり言いました。
「入り禁止なので無理です」
そして話を切り、着信拒否にしました。
続けて文さんの話が鳴りましたが、文さんはることなく着信拒否にしました。
今度は修司さんに話がかかってきました。
修司さんはし迷ったようでしたが、話にるとく言いました。
「姉さん、自分のことは自分でどうにかしてくれ」
そう言って話を切りました。
ただ、修司さんはすぐには着信拒否にしませんでした。
「姉さんのあの部の状態を見ちゃったらさ、何かあったらまずいってうじゃないか。応、連絡だけはつくようにしておかないと」
そういうところは、修司さんらしい優しさだといました。
けれどそのせいで、修司さんはしばらく美佐子さんの愚痴を聞かされることになりました。
「なんかさ、お母さんと直美のご飯がべたいって、泣きながら言うんだよ」
修司さんが困った顔で言うと、文さんはたく答えました。
「嘘泣きでしょ。あの子は昔から、自分の都が悪くなると泣きまねをするのよ」
私は、美佐子さんから散々見されてきたことをいし、同する気にはなれませんでした。