"お年玉泥棒の末路" 第4話
「お母さんは血圧いし、直美さんはちょっとダイエットした方がいいんだから、甘いものは控えた方がいいわよ」
そんなことは1度や2度ではありません。
羊羹、菓子、お茶の詰めわせ、銘菓。美佐子さんは、届いた品物のから必ず番そうなものを選んで持ちりました。
しかも、持ちるのは届け物だけではありません。
彼女は勝に蔵庫をけ、に入っているものを無断で持って帰るのです。
修司さんが何度も注しました。
「姉さん、ここで暮らしていたならともかく、今は自してるんだから、自分の費は自分で払いなよ」
しかし美佐子さんは、いつも同じように言い返しました。
「何よ、せこいわね。娘が実から材もらって何が悪いのよ」
私には兄がいて、結婚して子どももいます。
でも、兄のお嫁さんが実から勝にいろいろ持って帰るなんて話は聞いたことがありません。
それなのに美佐子さんは、実のものは自分のものだと信じて疑っていないようでした。
わざわざ取り寄せた京都の老舗の抹茶バームクーヘン。
松阪牛のすき焼き用の肉。
修司さんや文さんが楽しみにしていた産の帆や蟹の缶詰。
私がし奮発して買ったビールのセット。
用品として買い置きしていた洗剤のストック。
それらまで勝に持って帰られたには、さすがにおかしいといました。
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「せこいわね」
美佐子さんは言います。
けれど、せこいのはどう考えても美佐子さんの方でした。
綾音が学2になる頃には、だいぶ女の子らしくなり、も達者になってきました。
るくて優しい子ですが、ったことをはっきり言うところがあります。そこはし、美佐子さんに似ているのかもしれません。ただし、悪ではなく、あくまで無邪気なのです。
ある、美佐子さんがいつもの濃いメイクでやって来ました。
仕事帰りで、化粧直しをしていなかったのでしょう。ファンデーションに皮脂が浮いて、照ので顔がテカテカとっていました。
綾音は卓で美佐子さんの顔をじっと見て、首をかしげました。
「おばさんって、いつも顔がテカテカしてるね。なんで?」
卓に、微妙な空気が流れました。
私は慌てて綾音を止めようとしましたが、そのに美佐子さんが引きつった笑顔で答えました。
「ちょっとお化粧してるだけよ」
すると綾音は、さらに首をかしげました。
「お化粧って、きれいになるためにするんじゃないの?」
修司さんが咳き込みました。
文さんは苦笑しながら、フォローにならないフォローをしました。
「ほら、子どもは正直だからね」
私はので、綾音、よく言ったとってしまいました。
性格の悪いと接していると、こちらの性格まで悪くなっていくようでし嫌でしたが、それでも言われっぱなしだった私には、綾音の無邪気な言がしだけ痛だったのです。
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別の、美佐子さんがまた届き物の菓子を持って帰ろうとしたのことです。
綾音がきな声で言いました。
「え、おばさん、また持っていくの? 綾音の分なくなるじゃん」
美佐子さんは菓子の箱を抱えたまま、すました顔で言いました。
「お母さんがべすぎないように持っていってあげてるの。ほら、お母さん、これ以太ると困るでしょ」
ひどい言い訳です。
しかし綾音は、まったくじませんでした。
「でもママは柔らかくて、お肌もきれいで気持ちいいよ。おばさんはガリガリのしわくちゃじゃない」
私はその、まれて初めてぽっちゃり系で良かったといました。
文さんまで追い打ちをかけました。
「確かにを取ってくると、ふっくらしていた方がしわもなくて若く見えるのよね」
実際、文さんもしふっくらしていて、齢より若く見えます。
美佐子さんは悔しそうな顔をして、持ち帰ろうとしていた菓子を乱暴に元の所へ戻しました。
また別のの夕の席で、綾音が首をかしげて聞きました。
「ねえ、おばさんはなんで結婚しないの?」
無邪気な疑問に、卓が瞬静まり返りました。
美佐子さんはしを置いて、で笑いました。
「結婚? そんなの、無能な女が男に養ってもらうためにするものでしょ。