"900円の復活定食" 第7話
昼夜が逆になった活は、々自分だけ世からずれているような気持ちになる。が寝ているに起き、が勤するに帰る。朝のので眠くなり、昼過ぎに目を覚ます。
40歳独。
取り17万円。
ホテル設備管理員。
文字だけ並べれば、たいしたには見えないかもしれない。誰かに自できるような肩きでもないし、豪華な暮らしでもない。に帰れば1だし、蔵庫にあるのはい材と缶ビールくらいだ。
それでも、さっきのチキン蛮は本当にうまかった。
その事実だけで、今の俺はちょっと救われている。
きな幸せじゃなくていい。
24働いて、腹が減って、朝の堂で盛り定をう。
それで体が戻る。
それで気持ちも戻る。
そういうがあるなら、まだ丈夫だ。
俺は伝票をに取り、ゆっくりちがった。腹がいっぱいで、作がし鈍くなる。腰にを当てると、わず息が漏れた。
「ごちそうさまでした」
レジへ向かう。
女将がを拭きながら、こちらを見た。
「はい、900円ね」
俺は財布から1000円札をした。お釣りに100円玉を受け取る。
「ありがとう。お疲れさん」
女将が自然にそう言った。
その言が、妙に胸に残った。
「ありがとうございました」
俺は軽くをげて、をた。
の空気は朝のままだった。しひんやりしていて、腹いっぱいの体には気持ちいい。
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赤い盛りの旗がまだに揺れている。
「ああ、今んでもいいくらい幸せだ」
もちろん本当ににたいわけじゃない。
ただ、それくらい満たされていた。
自転の鍵をけ、サドルにまたがる。腹がくて、し傾姿勢がきつい。さっきからてきた無精髭の男が腹をさすっていた気持ちが、今なら分かる。
ペダルを踏みながら、俺は自然と笑っていた。
に帰る途、コンビニに寄った。
蔵コーナーのにつ。と青の缶が目に入る。
札幌クラシック500ml。
282円。
「1本だけ」
疲れすぎている。
それ以んだら、絶対寝落ちする。
シャワーを浴びて、1本だけベランダでむ。
それで終わり。
それ以は欲張らない。
40歳になると、自分の限界が分かってくる。定のお代わりも、ビールの本数も、仮眠なしの体の危険度も、なんとなく分かるようになる。
レジで缶ビールを1本だけ買い、コンビニをた。
自転のカゴにビールを入れる。缶がさく揺れた。
今の締めくくりが決まった。
それだけで、し嬉しかった。
マンション7階の自宅に帰宅した、体はもう限界にかった。
玄関の鍵をける音が、いつもよりく響いた。
「ただいまっと」
誰もいない部に、声だけが落ちる。
独の部は静かだ。返事はない。だが、その静けさも嫌いではない。誰にも気を使わず、今すぐ倒れ込んでも文句を言われない。
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俺は靴を脱ぎ、作業着を洗濯カゴに放り込んだ。汗と油と埃の匂いが気につ。
「うわ、これは洗わないと無理だな」
洗濯を回す気力はなかった。
とりあえずだ。
呂へ向かい、10分でシャワーを浴びる。い湯が首筋から背へ流れていく。24分の汗が、排へ流れていく覚がした。
「ああ……」
声が勝にる。
ホテルの廊を歩いた。
脚にがった膝。
具袋を持った肩。
械でしゃがんだ腰。
全部がじわじわ痛い。
でも、腹は満たされている。
もし24飯抜きのままに帰っていたら、分、玄関で倒れていたかもしれない。堂に寄ってよかった。本当に寄ってよかった。
シャワーを終え、タオルで髪を拭く。ロゴ入りの古いTシャツとグレーのスウェットに着替えた。体が気に部着の形になる。
もう、けない。
蔵庫に缶ビールを入れるも惜しい。さっき買った札幌クラシックをに取り、ベランダの引き戸をけた。
空は青かった。
朝というより、午のに変わり始めている。は涼しく、7階のベランダにはのの音がしだけ届いていた。のる音、の声、くの事音。
俺はベランダの子に腰をろした。
缶のプルタブに指をかける。
ぷしゅっ、という音がした。
その音だけで、1が終わった気がした。
む。
たいビールが喉を通る。
「うまい」
わず缶を見た。
「おは今もいい仕事するなあ」
40歳が缶ビールに話しかけている。