"900円の復活定食" 第3話
19。
チェックインラッシュが始まった。
ホテルという所は、客が部に入って初めて具が見つかる。昼、清掃スタッフや設備がいくら確認しても、全てを潰し切れるわけではない。
「が効かないそうです」
「蔵庫がえていないとお客様から連絡です」
「カードキーが反応しません」
フロントからの内線が続き、俺は客を回り続けた。
客は距移で疲れている。部に入って、エアコンが効かなかったり、蔵庫がえていなかったり、カードキーが反応しなかったりすれば、当然嫌になる。俺たち設備がくには、すでに空気がし張り詰めていることもい。
最初の部では、空調の設定がではなく送になっていた。客に軽く説しながら設定を変える。
次の部では、型蔵庫のコンセントが抜けかけていた。具の裏へを伸ばして差し直す。
別の階では、カードキーの読み取り部にな具がていた。フロントと連絡を取りながら、予備キーでけ、状況を確認する。
チェックインの最初の30分は、いろんなところに具が見つかる帯だ。
この仕事に入った頃は、それをらなかった。客の設備は、ただそこにあって当たりだとっていた。だが、その当たりを保つために、裏側では誰かが廊をり、具袋を持ち、をげながら直している。
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俺もその1になった。
20を過ぎても、内線は途切れたり鳴ったりを繰り返した。
防災センターに戻って子に座ろうとすると、また呼ばれる。具袋を置こうとすると、別の階へ向かう。蔵庫、照、空調、カードキー。どれも事件ではない。だが、さな具が積みなると、体力は確実に削られていく。
22。
ようやく落ち着いた。
防災センターに戻り、子にく沈み込む。背もたれに体を預けた瞬、腹の奥がぐうっと鳴った。
「あ、腹減った」
昼のプロテインは、もう完全に吸収されきっていた。体はエネルギーを求めている。の奥がしぼんやりする。指先にも力が入らない。
夜はコンビニで何か買ってくるつもりだった。
おにぎり2個と唐揚げ棒でりるだろう。蔵庫の弁当を温め直してもよかったが、今は度の空気を吸いたかった。
俺は財布を持ってちがった。
その瞬、また内線が鳴った。
「……嘘だろ」
受話器を取る。
用件を聞いた俺は、財布を机に置き、具袋を持った。
夜はまたで。
そう自分に言い聞かせるしかなかった。
夜0。
本来なら、い仮眠枠に入るだった。防災センターの奥には簡易ベッドがあり、何もなければ交代でし眠れる。24勤務でこの仮眠があるかないかはきい。
だが、その夜は災警報が鳴った。
警報の音だけで、ほぼ誤報だと分かった。
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く切れるような鳴り方をするは、だいたいセンサーの反応か、客内の蒸気や何かに反応していることがい。
「8階だな」
が覚えている。
エレベーターで8階にがり、現を確認する。異常がないことを確認し、リセットする。廊は夜の静けさに包まれていた。客のドアの向こうではが眠っている。そのを、俺だけが警報盤の表示を追って歩いている。
防災センターに戻ると、計は1を回っていた。
しだけでも横になるか。
そうったが、体が完全に休まるに、また別のアラームが鳴った。
3。
今度は空調の温度異常でだった。
械へ向かう。エレベーターをりた瞬、空気が変わる。客フロアの柔らかい匂いはなく、械油と属と湿気の匂いが混ざっている。照はく、械のい音がずっと鳴っている。
「なんで同じ夜になるんだろう」
独り言が械に吸い込まれていく。
計器を確認し、応急対応をする。原因を完全に潰すには業者対応が必かもしれないが、とりあえず朝まで持たせることはできそうだった。
「マジで、こんなもあるな」
にしゃがみ込んだまま、俺はし笑った。
こんなもある。
まあいいか。
そうわないと、やっていられない。
「ああ、眠い」
目の奥がい。腹はもう空きすぎて、逆に静かになっていた。
それでも、朝9は必ず来る。
勤務終までのを、俺はので何度も数えた。