"柿の葉の封印" 第11話
裕は昇りゆく朝をただ黙って見つめていた。
そのの向こうに、今もどこかできているであろう見らぬ族の姿をった。
彼らはしい名で全く違うを歩んでいるのかもしれない。
子供たちはもうになり、自分の族を持っているかもしれない。
父と母はお互いの秘密を抱えたまま、それでも寄り添い静かにをねているのだろうか。
もう度と会うことはないだろう。それでいいと裕はった。
彼らがきているその事実だけで、分すぎるほどだった。
昇る朝を浴びながら、裕の頬を筋の温かいものが伝っていった。
それはしみや悔の涙ではなかった。全ての過を受け入れ、そして未来へと歩みすための浄化の涙だった。
胸のにあったい葛藤が、のに溶けて消えていくのをじた。
、裕は解体業者にキャンセルの話を入れた。
あのは私が管理することにしました。いつか帰ってくるがいるかもしれないので。
驚く業者にそう告げると、彼はすがすがしい気持ちで話を切った。
血のつながりを超えた、きなでの族。彼らのきた証であるこの所を、今度は自分が守っていく番なのだ。
裕は夫妻が残したあのを再び箱にそっと収めた。
そしてその箱を胸に抱き、再びを訪れると、全体が見渡せる当たりの良い所にくく埋めた。
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これでもう誰もこの秘密を暴くことはないだろう。
真実はるべきがり、あの神聖なのに帰っていくのがいい。
桜井のにはまた静かな常が戻っていく。
25 の神隠し騒はやがて本当に神話となり、々の記憶から化していくのだろう。
しかし裕のには、そして葉のには、確かにした族の物語がこれからも息づき続ける。
帰り、辺のを歩いていると、茶「田」の簾が目に入った。
から漂ってくる柿の葉寿司の青いりと酢の匂い。
そのりを胸いっぱいに吸い込むと、議と涙はなかった。代わりに元に柔らかな笑みが浮かんだ。
それは全ての過を許し、未来へ向かうらぎの笑みだった。
このに眠る々の祈りと静かなに守られて、またしいが始まろうとしていた。