"五度目のドタキャン弁当" 第8話
どうしましょう」
泣きつくような声をすトメに、私は首を振った。
「お母さんに散々振り回された私が、助けるといます?」
「そ、そんな」
「もう信用できませんし、迷惑なので、2度とうちに来ないでください」
「男のにもけないし、あなたにまで拒否されたら、私どうすればいいの?」
「ご自分で招いた結果です。ご自分で考えたらどうですか」
呆然とち尽くすトメに向かって、ゆいが笑顔で言った。
「バイバイ、おばあちゃん」
その言が、トメにとどめを刺した。
その、トメはすっかりしくなった。
男のために何度も約束をドタキャンしたせいで、次男の孫に嫌われた。
そんな噂は所でも広がったらしい。病院の待では、かなり居が悪そうだと聞いた。以は先を見つけるたびに声で話しかけていたのに、今では別のようにこそこそしているという。
まあ、自業自得である。
あれほど事にしていた男族にも、すっかり距を置かれてしまった。
男嫁は「もう2度としない」と宣言し、トメに条件を突きつけた。
無断訪問禁止。
用事のないの話禁止。
当の予定変更禁止。
そして、男の孫ではなく、1のとして扱ってほしい、と。
それを聞いた、私は男嫁の苦労を初めてく理解した気がした。次男嫁の私とは違う形のストレスを、彼女もじていたのだろう。
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私はトメに幸になってほしいわけではない。
ただ、これをに、自分がどれほど周囲を振り回してきたのか、ちゃんと向きってほしいとった。
その方で、あの運会をきっかけに、はるき君の族との交流が始まった。
あの、はるき君はおいしそうなケーキを持って、改めてお礼に来てくれた。
「本当にありがとうございました。息子があの、とても嬉しそうに話していまして」
はるき君のお父さんは、以と同じ落ち着いた調でそう言った。隣には、るくてよく笑う奥さんがいた。
正直に言うと、私はそれまで「お医者さんの奥さん」と聞くと、し気がそうなを像していた。けれど実際は真逆だった。
よく笑い、よく話し、さっぱりしていて、とても話しやすい普通のお母さんだった。
「昨のお弁当、本当においしかったみたいで。はるきがでもずっと唐揚げの話をしていたんです」
「そんなにんでもらえたなら嬉しいです」
「よかったら今度、レシピを教えてください」
そんな会話から、自然と交流が始まった。
今では子育ての相談をしたり、お弁当のレシピを教えったりする仲になった。
ゆいとはるき君も、ますます仲良くなった。
クラスでは席がく、運会以来、休みに話すことが増えたらしい。ゆいはよくで、はるき君の話をした。
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「はるき君、のカレー3回おかわりしたんだよ」
「はるき君、体育でまた1番だった」
「はるき君って、字はきれいだけど忘れ物いんだよ」
私はそのたびに笑った。
「にはそれぞれ得得があるのよ」
「うん。だから私、字は練習する」
トメの言葉に傷ついたゆいが、しずつ自分を取り戻していくのが分かった。
1。
と同じく、よくれた運会の朝。
私は今も朝4から量の唐揚げを揚げていた。じゅわじゅわと油の音が響くキッチンに現れた夫が、のような唐揚げを見て目を丸くした。
「気い入ってるね」
「だって、の唐揚げがまたべたいって言われちゃったから」
「誰に?」
「はるき君よ。その代わり、はるき君のお母さんが量のサンドイッチを作ってきてくれるらしいわ」
夫は笑った。
「それは楽しみだな」
しかも今は、ゆいがリレーのアンカーを任されていた。応援にも自然と気いが入る。
楽しい運会になりそうだった。
ちなみに、トメは今の運会には誘っていない。
数、トメから自分で連絡があった。
「今も男の孫ちゃんの誕会へくから、誘わなくて結構」
ところが、男嫁はたかった。
「誕会は先週、族だけでやりました。来ないでください」
きっぱり拒絶されたトメは、すぐ私に話してきた。
「というわけだから、やっぱり今は運会にこうかしら」
私は淡々と答えた。
「お弁当は、はるき君のご族と緒にべますが」