"214号室の沈黙" 第5話
忠雄は線を落とした。
「だとわなかったんです。の従業員がで交換したといました」
警察はゆり子との関係についても尋ねた。
「同僚です。それ以ではありません。ほとんど話したこともありません」
忠雄の答えはかった。
次に、捜査官は苛性ソーダについて尋ねた。
ホテルでは、の施錠されたキャビネットに苛性ソーダが保管されていた。排管の清掃などに使うためのもので、きなボトルに入っていた。
鍵を持っていたのは、マネージャーたちと設備係である忠雄だった。
警察がキャビネットを確認すると、5L入りのボトルが5本残っていた。
しかし、庫記録では9の点で6本あった。
1本りなかった。
6本目のボトルは、どこへったのか。
警察は忠雄のアパートの捜索令状を取った。
捜索は1113にわれた。
忠雄のアパートはさく、部は荒れていた。1部に台所と浴。には汚れた、空き瓶、古聞が散らばっていた。活の気配はあったが、った暮らしではなかった。
警察は部の隅から押し入れ、台所、浴まで調べた。
凶器らしいものは見つからなかった。
血痕も見つからなかった。
忠雄を殺と直接結びつける決定なものは、すぐにはてこなかった。
だが、台所のゴミ箱から空のボトルが見つかった。
清掃用品のボトルだった。
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専が底に残ったわずかな残留物を調べると、酸化ナトリウムの痕跡が検された。
苛性ソーダだった。
しかも、そのボトルのブランドは、ホテルのに保管されていたものと致した。
警察は忠雄の作業着も調べた。
ジャケットのポケットから、へ通じる扉の鍵が見つかった。
忠雄は、その鍵は仕事でいつも持っているものだと説した。週に1度、の設備を点検することになっていたからだ。
だが、点検記録を調べると、自然な点があった。
忠雄は、ゆり子の失踪の3週、点検をっていなかった。最の点検記録は924だった。
では、なぜ彼はそのも鍵を持ち続けていたのか。
そして、なぜ失踪した夜にへがる必があったのか。
忠雄への取り調べは続いた。
毎のように彼は警察署へ呼ばれた。
同じ質問が繰り返された。
どこにいたのか。
何をしていたのか。
なぜ苛性ソーダのボトルがアパートにあったのか。
なぜ214号のことを詳しく話さなかったのか。
忠雄は同じ答えを繰り返した。
「殺については何もりません」
「から苛性ソーダを持ちしていません」
「にあったボトルは、数かに掃除に使ったものです」
警察は信じなかった。
しかし、直接な証拠はまだりなかった。
彼がゆり子を殺したことを証できない。
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彼が遺体を貯槽に入れたことを証できない。
それでも捜査は止まらなかった。
警察は忠雄の過を調べた。
彼は名古郊のさなでまれていた。父親は農で、母親は忠雄が8歳のにくなった。父親は酒をみ、息子にをげることがかったという。
忠雄は18歳でをて、名古へ移った。
建設作業員、作業員、清掃員。仕事を転々とし、やがてソナタホテルに雇われた。科はなかった。
だが、警察は1つの記録を見つけた。
10、ある女性が忠雄について苦を申してていた。
その女性は、同じで働いていた同僚だった。忠雄が仕事のに待ち伏せし、何度も話しかけようとした。断ると、彼は無言で見つめたり、をつけたりするようになったという。
当、警察は忠雄から話を聞いた。
忠雄はすべてを否定した。
女性は訴えを続けず、を辞め、町をた。事件はそこで終わっていた。
この報は、捜査官たちに別の能性を考えさせた。
忠雄は、ゆり子に健全な関を持っていたのではないか。
づこうとして拒まれたのではないか。
そして、その拒絶を受け入れられなかったのではないか。
19991118、警察に1本の話が入った。
話をかけてきたのは、かつてソナタホテルで働いていた女性だった。彼女は3に退職し、現は別の町にんでいた。
ニュースでゆり子の事件をり、警察に連絡してきたのだった。
彼女は、今田忠雄についてな話をした。