"214号室の沈黙" 第3話
ゆり子が失踪した夜、彼は職にいた。10以がそれを確認しており、アリバイは確だった。
捜査がむで、ホテルのマネージャーは奇妙な話をした。
「さんは、若い男と緒にていったのかもしれません。何度か、そういう男と緒にいるのを見たことがあります」
警察はその証言を詳しく聞いた。
しかし、マネージャーはその男の特徴を説できなかった。も、齢も、装もはっきりしない。いつ、どこで見たのかも曖昧だった。
の従業員に確認しても、ゆり子が若い男と緒にいるのを見た者はいなかった。
警察は、マネージャーが何かをごまかしているのではないかと疑った。
しかし、は見えなかった。
捜索はホテルのへ広がった。
警察とボランティアは、ホテル周辺の公園、空き、林、廃墟、通を調べた。ゴミ箱や川沿いも確認された。
何も見つからなかった。
ゆり子の両親は名古に滞し、娘の写真が入ったチラシを配った。
母親は元テレビの取材に応じた。
「娘に帰ってきてほしいです。もし誰かが娘を連れているなら、どうか解放してください」
声は震えていた。
父親は隣で黙ってっていた。目は赤かったが、涙を見せようとはしなかった。
警察は内と周辺域の元遺体も確認した。
しかし、ゆり子に該当する遺体はなかった。
広告
失踪から2週が過ぎようとしていた。
その頃、ホテルでは別の異変が起き始めていた。
19991030、京都から来た夫婦がソナタホテルに到着した。2には2階の214号が割り当てられた。
翌朝、妻がフロントへ来て苦を言った。
「入浴した、皮膚に発疹がたんです。腕とが赤くなって、焼けるように痛いんです」
フロント係は驚き、すぐにマネージャーを呼んだ。
マネージャーは何度もをげ、別の部を提供した。夫婦は3階の部へ移した。
その点では、ホテル側はか洗剤のな問題だと考えていた。
しかし、同じことが再び起きた。
111、京から来たビジネスマンが214号にチェックインした。彼は3滞する予定だった。
夕方、彼は浴でシャワーを浴びた。
その、腕や首に発疹がた。皮膚が赤くなり、を持ったように痛んだ。翌朝、彼はフロントでく苦を言った。
マネージャーはようやくになった。
単なる偶然ではない。
彼は配管業者を呼んだ。
配管業者は214号の浴を確認し、のサンプルを採取した。サンプルは分析へ回された。
3、結果が戻った。
214号のから、濃度の酸化ナトリウムが検された。
酸化ナトリウムは、苛性ソーダとしてられるい腐性物質だった。排管の清掃や鹸の製造などに使われるが、皮膚に触れると傷のような損傷を引き起こすことがある。
広告
マネージャーは214号を直ちに閉鎖した。
そして再び配管業者を呼んだ。
部の蛇、浴、配管、の湯タンク。すべてが調べられた。
しかし、内の配管に異常はなかった。
の湯タンクのも清潔だった。
では、214号の浴からた苛性ソーダは、どこから来たのか。
配管業者は、マネージャーに言った。
「の貯槽を確認した方がいいです」
ソナタホテルには、古いシステムがあった。
建物のに、容量1万Lのきな貯槽がある。のからそこへが入り、そこからホテル全体へ配される仕組みだった。
そのタンクはに1回点検されていた。
最の点検は19993。
そのは異常なしと記録されていた。
1999117、配管業者はへがった。
がりのは湿っており、がたかった。業者は貯槽のハッチをけ、懐灯でを照らした。
は濁って見えた。
表面には、細かな粒子のようなものが浮いていた。
業者はのサンプルを採取し、分析にした。
結果は同じだった。
濃度の酸化ナトリウム。
マネージャーは、すぐに警察へ話をかけた。
「ホテルの貯槽に、苛性ソーダが入っています。誰かが宿泊客を毒殺しようとしているのかもしれません」
その点で、ホテルの失踪事件との異常を結びつける者は、まだほとんどいなかった。
警察は、通報から1にソナタホテルへ到着した。