"消えた暖房と姑の末路" 第5話
その義母が、私たちの留守にエアコンを売った。
話でそう言い放ち、方に切った。
私は度、気へった。
だが末では閉まっていた。までり始め、はく濡れていた。
に戻った、良は毛布にくるまって待っていた。
「お母さん、エアコン戻ってくる?」
私はすぐには答えられなかった。
「今は無理みたい。でも丈夫。何とかするから」
私は押し入れの毛布を全部し、カイロをけ、鍋で湯を沸かした。湯たんぽ代わりにできそうなものを探し、良の元を温めた。
けれど、全体がえている。
かい空気はどこにもない。
私は義母へのりを抑えながら、公平に話した。
「信じられないんだけど。お母さんがエアコンを売ってしまったの」
話の向こうで、公平の声が変わった。
「え? じゃあ今どうしてるんだ?」
「良と毛布にくるまってる。でもこのままじゃ邪をひいてしまいそう」
公平はしの沈黙のあと、はっきりと言った。
「それなら、もうこっちので緒にもう」
私は瞬、言葉を失った。
実は、その3ヶ。
単赴任だった公平は、私と良のことを配し、緒にいるを増やしたいとを辞めていた。
ちょうどその頃、学代の先輩から、自分の会社に入らないかと誘われていたのだ。
先輩の会社は融分野を専とするコンサルタント会社だった。
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提示された料は代よりく、宅勤務も能だった。
公平は転職を決め、しいまいとして、この町の等にある級マンションを借りていた。
私と良を迎える準備も、しずつめてくれていた。
ただ、義母とのことがあったため、引っ越しの期を慎に考えていたのだ。
しかし、エアコンを売られたことで、状況は気に変わった。
「今から迎えにく」
公平はそう言った。
その夜、私は最限の荷物をまとめた。
良の教科、着替え、通帳、印鑑、事な類。義母のに置いておきたくないものだけをバッグに詰めた。
良はそうだったが、公平が迎えに来るとほっとした顔をした。
「お父さん」
公平は良を抱きしめ、私の方を見た。
「寒かったな。ごめん。もっとくくべきだった」
私は首を横に振った。
「もういい。こう」
私たちは義実をた。
玄関の扉を閉める、私は振り返らなかった。
5。
私と良は、公平と緒に級マンションで暮らしていた。
そのマンションは町の等にあり、購入すれば3000万円はらないほどの物件だった。リビングの壁は全面窓になっていて、見らしがいい。
窓からは、以んでいた義実の方向も見ろせた。
の効いた部で、良は宿題をしていた。公平は仕事部でオンライン会議をしている。
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私はキッチンでお茶を入れながら、計を見た。
そろそろ義母がハワイ旅から帰ってくる頃だった。
そうった瞬、スマホが鳴った。
画面には義母の名が表示されていた。
私はなかった。
しばらく鳴り続け、切れた。
するとまたすぐに鳴った。
2回、3回、4回。
5回目になっても義母は諦めない。いつまでも切らないので、私は仕方なく通話ボタンを押した。
「お母さん、帰ってきたんですか?」
話の向こうで、義母が鳴った。
「やっとた! 遅いわよ! 帰ってきたけど、これはどういうこと?」
私は湯呑みをテーブルに置いた。
「どういうことって、何がですか?」
「よ! 私たちのが売りにてるのよ! それに、あなたたちはどこにいるの?」
予通りだった。
私は自然と元が緩むのをじた。
義実は、義父の、公平の名義になっていた。固定資産税なども公平が払っていた。そのため、公平は義母にられることなく、を売却する続きをめることができた。
もちろん、すぐにすべてが完するわけではない。
だが、義母が帰宅したには、が売りにされていることが分かる状態になっていた。
「私たちは引っ越しました」
私は落ち着いて言った。
「引っ越したって、どこに? 公平はっているの?」
「もちろん、公平さんもっています」
義母の声が瞬詰まった。
「私はどうすればいいのよ」
「さあ。ホテルにでも泊まってください。所のビジネスホテルなら空いているといますよ」