"消えた暖房と姑の末路" 第3話
「お誕のは作ってくれるよ」
「誕は当たりだよ。むしろ、そのしか許されないなんてかわいそうに」
義母はわざとらしくため息をついた。
良は、私と義母を交互に見て、何とも言えない顔をしていた。まだ幼い彼には、それが本当かどうか判断できない。ただ、おばあちゃんと母親の仲が悪いことだけは分かったようだった。
ゲームをするも、良は私と義母が同じ所にいないように気を使った。
「お母さんはこっちで見てて。おばあちゃんは向こうね」
子どもにそんな気遣いをさせている。
そのことがけなくて、私は夜、布団ので何度も泣きそうになった。
義母と同居してから1が経った頃、公平に転勤の話がた。
配属先はい方支だった。
良の学のこと、義母の齢のことを考え、公平は単赴任を決めた。
そのから、義母の態度はさらに悪化した。
公平の目が届かなくなったからだ。
「ここは私のなんだから、事も事のも私のルールに従いなさい」
義母はそう言って、自分のやり方を押し付けてきた。
「お母さん、できるだけ守るようにはします。でも全部は無茶です」
私がそう言うと、義母は目を細めた。
「そんなことないわ。できないのは、あなたが族をないがしろにしているからよ」
「そんなことないです」
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「どうかしら。あなたは私と血のつながりのないだから、族のことなんて分からないのね」
こんな言い争いは、常になっていった。
私は義母と分かりうことを、しずつ諦めていった。
公平が単赴任を始めてから、義母の嫌がらせは目に見えて増えた。
洗濯したばかりのをわざと汚す。
私の物を勝に移させる。
蔵庫にしまっておいた材を、いつのにか使ってしまう。
最初は偶然かとった。
けれど、同じことが何度も続けば、図だと分かる。
ある、私はお気に入りのワンピースがクローゼットにないことに気づいた。
い紺のワンピースで、裾にさなビーズが縫い付けられている。結婚に自分で買ったもので、特別なにだけ着ていた。
私は押し入れや洗濯かごを探した。
けれど見つからない。
その、玄関の扉がく音がした。
義母が帰ってきた。
私は廊にて、わず息を呑んだ。
義母が、そのワンピースを着ていた。
サイズがっておらず、肩のあたりが引きつっている。裾もし引きずっていた。
「お母さん、それ、私のワンピースじゃないですか。勝に着ないでください」
できずに言うと、義母はわざとらしく自分のを見ろした。
「そうだったかしら。通りでサイズがわないとったわ」
そう言うと、彼女はそのでワンピースを脱ぐようにして、へ投げ捨てた。
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私は慌てて拾いげた。
裾についていたビーズがいくつか取れている。ろの糸もほつれ、汚れがついていた。おそらく、ハイヒールで階段をるに裾を踏んだのだろう。
「もう、何なの……」
声が震えた。
直そうとえば直せたかもしれない。
けれど、そのワンピースを見るたびに義母の嫌な笑い方をいす気がして、結局私は捨ててしまった。
別のには、夕を作っているだった。
私は良の好きな煮物と噌汁を用していた。公平がいない分、せめての卓だけは穏やかにしたいとっていた。
義母は鍋のを覗き込み、わざとらしく顔をしかめた。
「これ、塩辛すぎるわ」
「まだをえているところです」
私が言うと、義母はお玉で見をした。
そして次の瞬、鍋を持ちげ、をそのままゴミ箱へ流し始めた。
「何してるんですか!」
私は慌てて止めようとした。
「なんでこんなもったいないことをするんですか」
義母は平然と言った。
「もったいないって、あなたは子どもにこんなものをべさせて平気なの? 母親失格ね」
私は唇を噛んだ。
義母は当然のように言った。
「作り直しなさい」
良が帰ってくるまではなかった。私は涙をこらえながら、もう度台所にった。
悔しかった。
付けが気に入らないなら、自分で作ればいい。
そうっても、にせばまた言い返されるだけだった。
義母の嫌がらせのせいで事の量は増え、私は毎夜まで片付けをしていた。